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『ごはん杖』 #毎週ショートショートnote【MK5編】

ゆ~らゆ~ら

お椀に乗った一寸法師は考える。両親が持たせてくれた箸で漕いでも一向に進まない。

手を振る二人がまだ見える…

こんなことなら小判鮫のように、誰かの肩に乗れば良かった。

心が折れかけていた時、かぐわしい匂いが鼻腔をくすぐる。そういえば食べ物を持ってなかった。魅惑の匂いに誘われ漕ぐスピードを上げる。


すると僕くらいの体長の少女が河川敷のたんぽぽを火種にして黒く平たい物を揺すっていた。

「おーい!」

声を上げると少女も僕に気づく。流れに抗い河川敷の草を掴み陸地に上がった。


「何してるんだ?」
「パンケーキを焼いてるの」
「パンケーキ?」

初めて聞く物だ。

「でもごはん杖がないとひっくり返せないわ」

悲しそうな顔をする彼女に

「代わりにこれを使おう」

僕は武器にする予定だった針でパンケーキをひっくり返す。美味しそうなきつね色だ。

二人でパンケーキを噛り身の上話をするうちに彼女に好意を抱く。



ずっと僕を見ていた両親が駆けつけたのは、その5秒後。


 お相手の女性は親指姫ですね。一寸法師は一寸として、どちらが大きいのかは色々議論されているようですが、親指姫の方が大きいのかな🤔?と勝手に思っています。

 サブタイトルの【MK5】は多少は参考にしたもののパクるつもりではなかったのですが「マジで(両親が)駆けつける5秒前」として表したら本家とかぶってました😇<親指の詰めの甘さよ……)今どき風に少し過保護な両親でしたとさ♪(送り出した心の理由は、ご想像にお任せします🤭)

 この二人の行く末はこちらになります🙋



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