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健康診断の受診率を向上させるためには①〜マーケティング要素を活用し〜

こんにちは!
札場(フダバ)と申します。

健康診断の受診率向上を課題として持っている施設様は多く存在するのではないでしょうか?
マーケティングの視点を取り入れることで、より効果的に受診率向上に繋がります。

今回は、マーケティングの観点から健康診断の受診率向上について説明していきます。
それではどうぞ!!


メッセージを変更しただけで受診率向上

早速ですが、マーケティングを活用し、効果が出ている事例を紹介します。
分かりやすいメッセージに変えただけで、受診率が130倍になったとの報告もあります。

 東京都内のある自治体では、過去5年間に乳がん検診を受けていなかった人に対する乳がん検診のお知らせの資材の表現を変えたことで、変更前のお知らせを送付したグループでは1500人中1人しか受診しなかったのに対し、変更したお知らせを送付したグループでは1489人中131人が受診し、受診率は約130倍にアップした。

ソーシャルマーケティングと行動経済学を活用、キャンサースキャンの取り組みに見る
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00003/010800061/?P=2

上記の事例のようにマーケティング要素を活用し、適切なアプローチ方法を実施することで、効果的な実績を残すことが可能になります。


マーケティングとは

マーケティングという言葉を聞く機会は多いと思いますが、そもそも何を意味するのか説明していきます。

経営学者フィリップ・コトラーは、マーケティングの定義は次のようになります。

「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生みだし、顧客にとどけ、そこから利益を上げること」
顧客のニーズを十分に理解することにより、そのニーズを満たすことができる価値を創造し、「売り込みをしなくても自然に売れてしまう状態を作ること」こそがマーケティングの理想

マーケティングの基礎

マーケティングの基礎や概要を少し、説明いたします。
マーケティングを実際に行なう際には、

1.誰に
2.どのような価値を
3.どのようにして提供するか

を考えていくことが基礎となります。
マーケティングの基礎に関して、説明しているサイトも多くありますので、気になる方は調べてみることをおすすめします。


健康診断はソーシャルマーケティングに近い

ソーシャルマーケティングとは、社会的な問題の解決を目的とした、マーケティングの考え方を活用するスタイルです。アメリカの経営学者であるコトラーが提唱した概念です。1960年代にアメリカで起きた消費者運動をきっかけにして、1980年代に提唱されました。
従来のマーケティングは顧客志向でした。一方ソーシャルマーケティングは、社会志向であるところが大きな違いです。

ソーシャルマーケティングを展開することで、競争力の強化につなげられるのはメリットといえます。特にこの手の活動をしていると、消費者に好感される傾向が見られますので、健康診断において、ソーシャルマーケティングは重要になります。


ソーシャルマーケティングの進め方

全体の流れは以下になります。

⾏動科学やナッジ、ソーシャルマーケティングを活⽤した がん検診受診勧奨の取り組み
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000514745.pdf


分析

分析の部分において、SWOT分析の記載があります。SWOT分析とは以下になります。

  1. Strength=強み

  2. Weakness=弱み

  3. Opportunity=機会

  4. Threat=脅威

という4つのカテゴリーを視点にして、経営戦略や事業計画の現状分析を行う経営戦略策定方法です。


その他の分析方法として、「バリュープロポジション」も効果的になります。
バリュープロポジションとは、顧客がその商品を手に入れることで顧客にもたらされる明確で実証可能な利益のことを指しています。つまり、顧客にとってのその商品の「価値(Value)」のことを意味しているのです。

バリュープロポジションとは?6つの成功例と書き方紹介
https://product-senses.mazrica.com/senseslab/knowledge/what-is-value-proposition


戦略開発〜実行

対象の細分化(セグメンテーション)

健康診断における未受診者によっても、受診しない理由は様々です。
その為、それぞれの人の気持ちに響くメッセージを送らないとその人の行動は変わることがありません。

以下に事例を載せております。

福岡支部の企画総務グループの事例です。
4つのセグメントに分類し、それぞれのインサイトに合った資材を作成し、ソーシャルマーケティングを実施しています。以下は、4つのセグメント分類になります。

ソーシャルマーケティングの手法を活用した被扶養者の特定健診未受診 者への再勧奨事業の効果検証
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/cat740/houkokusho/h28/houkokusho_12.pdf


乳がん検診の未受診者の“気持ち”にあわせたメッセージの例になります。セグメントごとに、伝えるメッセージを変えています。

⾏動科学やナッジ、ソーシャルマーケティングを活⽤した がん検診受診勧奨の取り組み
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000514745.pdf


まとめ

今回は、マーケティングの視点より、健康診断の受診率向上について説明いたしました。

誰に、何を、どのようにお伝えするかで、受診率にも大きな変化が現れます。マーケティングを活用しながら、受診率向上に繋がることを目指していきたいですね。

まずは、現状の分析から始めてみてはいかがでしょうか?


弊社でも受診率向上のサポートを実施しておりますので、お困りの施設様や気になる方はお気軽にご連絡ください。

札場
Tel:06-6123-8162
Email:m.fudaba@altura.co.jp



参考サイト

https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000514745.pdf

https://www.jshss.org/wp-content/uploads/2010/07/GM005-1_presentation.pdf


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