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【#読書日記】マンガでわかる 心理学的に正しいモンスター社員の取扱説明書

またも役に立つ本を見つけました!

やっぱり「マンガでわかる〜」はわかりやすいし、

まとめやすい!

この本は現在の職場の人間関係に悩んでいる方で、転職の意思のない方に強くオススメします!

本書の内容は、

マウンティング女子にクラッシャー上司、依存性パーソナリティに他人を"獲物"にしか思っていない社内プレデターなどなど、どこの会社にもいる困った隣人・モンスター社員。
そんな彼らをどう扱うべきか、心理学のテクニックを利用してうまく付き合う方法をマンガでわかりやすく解説します。

筆者は杉山崇さんは

日本の心理学者、臨床心理士、キャリア・コンサルティング技能士。
神奈川大学人間科学部教授。
抑うつの認知過程,抑うつの対人関係,被受容感・被拒絶感,などの心理学研究や,心理療法の統合・折衷,認知行動療法,などの実践研究を行っている。〈 ウィキペディア〉

そもそもモンスター社員とは誰なのか?

パワハラする上司なのか?

仕事できない部下なのか?

著者の定義では

偏った人付き合いや仕事のスタイルで職場に不利益を与え、繰り返し(3回以上)同じ注意や指摘をしても直らない人

ポイントとしては客観的に見て

「職場に不利益を与えている」にもかかわらず、

それを複数回指摘されても態度・行動を全く改めようとしないというところだそうです。


■【要約】職場に潜む5タイプのモンスター

本書に登場する5タイプのモンスターとそれぞれの対処法です。

●タイプ①マウンティング女子

マウンティングとは「上から目線」ということですね。

自分の年収や学歴、過去の経歴、身長や体重といった外見をもとに

相手を見下し優越感に浸る行動です。

マウンティング女子をさらに細分化すると、

・プライドが高くてマウンティングするタイプ(誰かのいい話を聞くと「私はもっとすごい」とアピールしてくる)

・上昇傾向からくる火山型マウンティングタイプ

・自信がないのにマウンティングするタイプ

・劇場型マウンティング女子タイプ


本書ではマウンティングされやすい人の性格傾向として

□職場の中で容姿がいい、学歴が高い、比較的若い、服のセンスがいいなどの目立つポイントを持っている  

□愛嬌をふりまくのが苦手で媚びるのが下手 

□微妙にプライドが高い

□空気を読むのが苦手

□おとなしくて人がいい

これらの項目にどれか一つでも当てはまるようなら要注意とされています。

これらのマウンティング女子への対処法は⇒戦わず、あえて調子に乗らせておくことだそうです。

例えば、プライドが高くてマウンティングするタイプには

プライドを上手にくすぐるとして

「そうなんですか!」

「すごいですね!」

「さすがです!」

「先輩には敵いません」

といった対処が有効であるということです。

私は本書を読んでいて、

その昔、ある方から教わった、水商売の世界に伝わる秘伝

「接客のさしすせそ」を思い出しました。


『接客のさしすせそ』

さ:「さすがですね!」

し:「知らなかったです」

す:「スゴい!」「すばらしい!」

せ:「せっかくですから」

そ:「そうなんですね」


他のマウンティング女子の対処法についても本書にて詳しく書いてあります。


●タイプ②クラッシャー上司(部下を壊してしまう上司)

著者は『クラッシャー上司は職場の”害虫”だ!」とまで書いております(笑

クラッシャー上司の7つのチェック項目は

□自分は無能な人間を導く存在と考えている 

□仕事は自分の能力を見せつける舞台、自分が主役 

□周りには自分への称賛と服従しか認めない 

□仕事には全力投球。精力的で業績も優秀

□独善的で、部下に対しては必要以上に攻撃的 

□部下の手柄は横取りし、ミスはフォローしない  

□自分は素晴らしい人間で、特別で優秀な存在だと思い込んでいる

クラッシャー上司をさらに細分化すると3タイプ

・自己主張型クラッシャー上司 

□会議は上司の自分が怒鳴り散らす場と考えている 

□相談すると「何やっているんだ」と罵倒が始まる 

□いつも声が大きいが自分では控えめにしているつもりだ

尚、誇大した自己と虚栄心の塊が正体であるクラッシャー上司は、

矯正施設でも入れない限り彼らを止めるのは無理とまで断言されてますね。

しかも、彼らは害虫並みに生命力が強いので根絶することは困難であるとも書いてます。

2020年6月施行の改正労働施策総合推進法、

通称パワハラ防止法でどれだけ駆除できるかは今後の経過観察ですね。

クラッシャー上司の対処法は⇒「逃げる」「仲間を作る」「いい部下を演じる」を徹底することだそうです。

フローチャートで説明すると【クラッシャー上司が現れた!】⇒【上司の視界から極力逃げる】⇒【(無理なら)攻撃から逃れるための仲間を作る】⇒【仲間と協力して逃げ道を確保】と、

まるでRPGの攻略本のような解説が書かれてます!


●タイプ③依存性パーソナリティ女子

依存性パーソナリティは職場のパラサイト(寄生虫)であり、

何でも人任せで自分では何も決められないし、

できないタイプです。

ひどい場合は依存性パーソナリティー障害という心の病気の可能性もあるタイプです。

□いつも人に頼ることを考えている

□仕事に対する責任感がない

□有力者には従順で逆らわない

□頼れる相手を増やすためならマメに働く

このタイプに依存されやすい方は、

仕事ができて面倒見が良くて、

年が割と近い先輩に多いそうです。

対処法の基本は2点⇒
①責任ある態度、仕事への誇りなど期待しないこと
②しつこいぐらい仕事をチェックするお目付け役を置くという組織的な依存対策をすることだそうです。

このタイプの正体は「自分は存在するだけで愛されて喜ばれる」という妄想に取り込まれた1才児だそうです。

「めんどくさいなー」と感じた方には

奥の手としての対処は前述のクラッシャー上司に依存させて

害虫×寄生虫コラボレーションが作り上げるというソリューションが紹介されてました。

つまり、常に称賛と服従を求めるクラッシャー上司に、

常に宿主を探している依存性パーソナリティをコンビにしてしまう!

なるほどの一石二鳥ですね。


●タイプ④承認欲求キラキラ女子

SNSで「いいね」を欲しがるタイプです。

「インスタグラム女子」がキラキラした写真を投稿するために、

わざわざ着物をレンタルしたり、

高価なアイテムを買って写真を投稿したらすぐ売り払ったりするケースを聞いたことがあります。

このタイプの人は、

自分自身の問題と向き合うのが苦手で、

『傷付きたくない』という気持ちが強いです。 

『あなたがダメなんだよ』と言われて傷付きたくないから、

先に『あの上司は私のことが嫌いだから昇進させてくれない』など、

問題を他人のせいにすり替えた発言をするそうです。

自分に注目を集めたいだけなので、普段から話を聞いてあげれば暴れない。

そのため周囲の割り切りも重要であるとのこと。

暴走させないように気をつけつつ、

承認欲求の高揚感を利用してパフォーマンスを上げさせることが重要だそうです。


●タイプ⑤社内プレデター(捕食者)

周囲の人を支配して道具のように扱う傾向にある人。

仕事面での評価が高い「成功者」であり、

他人の利益や快楽を貪る「ハンター:」であり、

共感力にかけるが表向きは「いい人」でもあるタイプ

□目的(成果や快楽)には常に貪欲で合理的

□目的を達成するためにその道具として他人を道具として操ろうとする

□人を操るためなら嘘やお世辞を平気で言うことができる

□罪悪感(心理的負債)を相手に与えようとする

□自分の過ちを認めようとしない

□自分が立派な人間だと仕向けようとする

□物事の善悪にはあまり関心がない

5つ以上当てはまる場合は社内プレデターの可能性ありだそうです。


社内プレデタータイプの中でも霊長類最悪とも言えるのが「反社会性パソナリティ障害」通称サイコパスですね。

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あなたはご存知でしょうか?

サイコパスは経営者に多いという不都合な真実を…

私も実際にサイコパスな経営者を目撃したこともあります。

大体ブラックな会社の経営者にはサイコパスの傾向はありますね。

サイコパスは遺伝とも病気とも言われてますが、

いずれにしても深く近づくには危険です。


本書の社内プレデターに話を戻します。

多くのプレデターに共通する狩りの手口は、

相手に心理的負債(恩や借り)を与えて支配するというやり方です。

人は何かしてもらうと無意識のうちに、

それに見合った何かを返そう(返報)とする心の動きを生じます。

その心苦しさにつけ込むということですね。

また逆に「悪いことをした」という心理的負債を与えて借りを返してもらおうとする傾向もあります。

まさに反社(反社会的勢力)とやっていることは同じです。

大事なことは彼らと一対一で付き合うと付け込まれやすいので、

周りの友人や上司・先輩など助けてくれる人を確保することだそうです。


しっかし、クラッシャー上司だったり社内プレデターだったりと

筆者はとにかくネーミングセンスが秀逸ですね。


■【タルイ的考察】根本治療ではなく対処療法も役に立つ!

なぜ私が本書をオススメするかというと…

それは私にない発想と解決策だからです。

私のキャリアコンサルティングの根幹は端的に言えば

「嫌な上司がいたら辞めてしまえ!」なんですね。

雑な言い方に受け取られるかもしれませんが、

ちゃんとした理由があります。

私がYouTube動画等で伝えていることは

●自分を変えるためには環境を変えることが一番であると考える

●「話し合う」「闘う」「逃げる(転職する)」「何もしない」で一番生産性が高いのは「逃げる(転職する)」である

もちろん離職によって会社組織を弱体化させることが目的ではないですから、組織への提案としては

●アホな上司をどうにかするより、それを生み出してしまう組織のピラミッド構造をサーヴァントリーダー型組織につくりなおす。

●組織に心理的安全性を担保させ離職率を下げる対策を導入する

等々…いわゆる破壊と再生を同時に進める、

根本的な問題解決を提案しておりました。

対人の選択肢は「話し合う」「闘う」「逃げる(転職する)」「何もしない」でしたが

「かわす」という選択肢があることに気付かされました。

本書では嫌な上司を含む5タイプのモンスター社員との共存する?

もしくは共生する解決策として、

闘わないための対処療法を提案しております。

たしかに嫌な上司が会社にいるからといって、

簡単には転職できない理由もあるのは事実でしょう。

本書を読み終えて、

今後は私のキャリアコンサルティングにおいても対処療法を提案したくなりました。

根本治療対処療法のどちらが正しいということではありません。

腰が痛いときに、

病院もあるけど接骨院もあるよという選択肢が複数あることが

社会そのものの豊かさなのではないでしょうか。

どちらの方法もあって、どちらも正しく。併用もOK。

その多様性こそが本当の社会の豊かさだと私は考えております。




最後まで読んで頂いて感謝です。

♥スキかコメントを書いていただけますと記事を書くモチベーションになりますので嬉しいです。



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