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実家の管理に1800万、売却しても600万

遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
詳しくはこちらのホームページから。

タレントの松本明子さんがご自身の実家の処分について書かれた「実家じまい終わらせました!」を読みました。

お父さんが強い思いを込めて宮大工さんに建ててもらった家。
亡くなる時に、松本さんに「実家を頼む、明子」と言われた言葉を重く受けとめ、長い期間の固定資産税や草刈りなどの維持管理経費が25年間で1,800万円以上となりました。
また、相続後に年数が経ったため、使いやすくするためにリフォームに600万円をかけました。

最終的には空き家バンクに登録して、買い手が見つかったものの600万円。
しかもこれはかなり高値で売れた方だそうです。
その買い手に家を渡すために遺品整理を行い、処分費に100万円以上、また処分のために東京から高松までの移動費が沢山かかったと書かれていました。

子どもが都市部に出てしまうと、実家は空き家になります。
維持費の問題、なかなか売れない売却の問題、松本さんのように親の意向が呪いのようになってしまう問題など色々と解決が難しい問題があります。

また年配の方は何でも大事にしまわれているため、いざ生前整理や遺品整理を行おうとしても大量のものが溢れており、その処分費も莫大になります。

業者さんに入ってもらわず自分で仕訳をすれば安くなる面もあるでしょうが、松本さんは思い出の品を一つ一つ手にするとそこで止まってしまう、と書かれており、思い出に浸る分の時間が余計にかかるだろうな、と想像されます。

ちなみに本では「墓じまい」の相談も専門家にされています。
私のお寺では、宗派問わずどなたでも入っていただける合同墓(合葬墓)があります。
ご自身やご家族の埋葬のことでご相談がある方や、士業で成年後見をされている方でおひとりさまの埋葬先を検討されている方がいらっしゃいましたら、一度ご連絡ください。

家のことも含めて財産のことやお墓のことなどについて、自分が亡くなった後はこうしてほしい、という想いを、お子さんや後の代の方に伝えることは大事です。
特に口頭で伝えるだけでなく、エンディングノートや遺言の付言を利用して、自分が大事にしてきた想いや受け継いで欲しい想いを書き記しておくと、遺された方も冷静に、繰り返し、意図を確認できると思います。

そして、合わせてお伝えしたいのは、親の思いや希望はしっかりと聞いて尊重するけれども、それを受けてどうしていくか判断するのは後の代の方の権利だということです。
親が言ってたから何としても守らなければいけない、というのではなく、親の希望と現代の世情と自分の状況の中で判断されていくものだと思います。
その中では、親の意図とは異なる実家の売却や墓じまいが起きることもあると思います。

エンディングノートや遺言を広める活動をしていますが、そこで伝えられるのは親の思いや希望であり命令ではないということを合わせて伝えなければいけないな、と松本さんの本を読んで感じました。

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