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相談者が主役になっていますか?

滋賀県高島市の住職・行政書士・FPの吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活
のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
詳しくはこちらのホームページから。

テレビでもよく出演された「103kgの恋愛カウンセラー」「生き方カウンセラー」の羽林由鶴さんを講師に招いた縁結び応援セミナーがあったので参加してきました。

今までも婚活支援というほどでもないけれど、独身男女のお食事会の段取りなどはしたことがあるので、専門家の視点に非常に興味がありました。

最初から一貫していわれているのは「主役は独身者」であるということ。
独身者の親御さんから相談があっても、最後は主役は独身者に移るので、そこの意識を忘れないこと。
主役は独身者なので、こちらからアドバイスという名前で出そうな「指示、指導は絶対にダメ」ということも繰り返し言われました。

今回は行政絡みのセミナーだったので、行政が実施する婚活支援と民間の婚活支援についても解説されました。
簡単に言えば、民間は何でも出来るし、参加者を絞ることも出来る。
行政は、参加者を絞ることが出来ないし、幅広いタイプが参加する。

そして、その支援には2種類あるとのこと。
一つは今、結婚を望んでいる方に対する直接的な支援。
もう一つは結婚のイメージアップ(機運醸成)です。
この場合は、民間は前者しか出来ないし、後者は行政にしか出来ない、と話されました。

特にイメージアップ(機運醸成)という点では、年配の人ほど、結婚は大変ということばかりを強調したため、若くなるほど結婚に対する憧れもなくなっているとのこと。
羽林さんが中学校で行ったセミナーでは、15歳の男の子が恋愛をしたくないから好きにならない努力をしているといったそうです。
その努力がなんなのかというと、女子に近づかないこと。
親が離婚しているし、テレビを見ても芸能人の不倫をみんなが叩いているので、恋愛に対する拒否感が高まっているそうです。

他にも色々と面白い話が出たのですが、聞いていて思ったのは、これは相続の現場でも一緒だな、ということ。
相続を検討している人が主役で、周りの人や子どもが言うことよりも本人の思いをしっかりと聞くことが大事です。
また、依頼人さんとお話ししているとよく言われるのが「どうするといいんでしょう(正解なのでしょう)」という言葉。
専門家や本に書かれたこうした方が良いですよ、という言葉よりも、依頼人の思いをもとにした内容の方が正解です、と繰り返しお伝えしています。

相続手続に関する具体的な支援は色々な士業や団体が出来るけれども、遺言やエンディングノートの気運を盛り上げていくためにはやはり公的機関は欠かせません。
相続に関してよく誤解されているのが「最後は行政が何とかしてくれるだろう」というもの。
行政がタッチできないことも多く、誰も手が付けられず放ったらかしになってしまうものもあることを、行政側から発信していくことが必要です。

そして、結婚支援も相続支援も大事なのは、依頼者に向けての支援者のコミュニケーションが重要。
アドバイスのような一方向ではなくて、相談内容を聞いて声かけをしながら、さらに言葉を引き出していく双方向のやり取りを羽林さんも強調されていました。

結婚と相続と繋がらないように見える分野でしたが、その支援というところでは共通するものを多々感じました。


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