見出し画像

オリーブオイルランド、小豆島でオリーブの 実り多い一生を辿る

始めまして、FR0M SCRATCHのSHOJUと申します!


突然ですが、オリーブと聞いて何を想起しますか?ピザやパエリアの上に散りばめられているリング状のアレでしょうか?それともオリーブオイルでしょうか?何れにしても、脇役として日常の食卓に彩りを加えているのは確かですね。

しかし、このありふれた食材を吟味する機会は過去にありましたか?お恥ずかしい限りですが僕はなかったです…… そんでもって、私達はこの食材を深堀する衝動に駆られたのでした。

オリーブと言えば小豆島。そして衝動といえば小豆島(ダジャレ)。今回はオリーブの代表的な産物であるオリーブオイルの1から10を学び、油作りのノウハウを携えるべく小豆島に向かいました。

画像1

オリーブは木?草?木にしない?

ところで、この食材は某有名漫画の恋人と同名ですよね。この主役というのがほうれん草を食べると覚醒するそうです(仕組みは分かりません。ほうれん草食べましょうということです)。なので、オリーブも草なのではないかと直感的に思ったり、思わなかったり。

画像2


因みに、オリーブは暦とした樹木です。リンゴやサクランボのように枝から果実を生やします。

しかし、日本でオリーブの木に実がなっている構図自体肉眼で目にすることは希有なことなのではないでしょうか?繊細なオリーブは気候や日照等複数の条件が満たされないと正常に生育し、実らないのです。要するに、照度が小豆(しょうど)いい島というわけです。小豆島がいかに好ましい環境か見て取れますね。

で、これが小豆島にて実ったオリーブの最たる姿です。道ばたの脇に生えている木々に当たり前のように実が付いていて拍子抜けしましたよ。

画像3

実家の半地下でかつて飲食店が営業していて (ある日はダイニングを名乗っていたり、気づいたらカフェに移行していたりと謎の店)その店がオリーブを外で育てていましたが、二ヶ月周期ぐらいで枯らしていたので(何株のオリーブが犠牲になったのやら……)、オリーブを活かすこと自体難易度が高いことは前もって認知していたつもりです。

あ、すみません、話が脱線して完全に油を売っていました!オリーブオイルのように円滑な解説を試みていたのですが、オリーブ木の育成くらい難航しました。気を取り直していきましょう。

オリーブのビッグ4

意外かもしれませんが、オリーブには世界で1000以上の品種が存在するらしいです。その内日本で栽培されているのは120品種とのこと。数ある品種の中で主要なプレイヤーが4種類存在します。正直言って現地で木や実を見ても品種間で顕著な違いは分かりませんでした。しかし、それぞれ性質に応じて異なった使い道があるそうです。

おや、オリーブのビッグ4が会談していますね。少し覗いてみましょう。

画像4

あ、ところでここに登場するオリーブの実たちは実際の実の容姿を反映させている訳ではありません。現実世界での未熟な実の色彩は品種間で大差はないそうです。あとルッカとネバディロブランコの平均的な果実重は他二種に比べ軽いらしいですよ。

オリーブの実は大きな正O丸

画像5

正O丸は少し誇張しすぎました。でも生の状態ではそう表現したくなるくらいお世辞にも美味しいとは言い難い食材でした。

果肉を噛んだ瞬間に渋みが口に充満し、その日の晩まで入り浸り続けたのはいい思い出です。その日の食事はもれなく渋オリーブ味になってしまいました(ただ本当に食事が小豆島仕様でオリーブ味だった可能性も捨てきれません)。

まあ、渋みのもとが抗酸化作用があるポリフェノールとのことなので悪い気はしませんが。とにかくこのお世辞にも食用に適しているとはいえないどす黒い果実を有効活用する術を見出した人々に脱帽しますね。

オリーブの搾油は大胆なハードロックから繊細なクラシックへ

搾油室に訪問した時に受けた印象はとにかく「うるさい!」でした。果実を処理する際に生じる搾油機の轟音がスタッフの声をかき消し、指示が全く聞こえませんでした。部屋の中では基本的に手話などで会話するんですかね?8時間も作業するのだから驚きを隠しきれません。

画像6

果実から搾り取った搾油機の産物はその後繰り返し、慎重に遠心分離・精製され、オリーブオイルが完成するわけです。この変遷は大音量のロックから穏やかで繊細なクラシックへのジャンル転向と同質ですね。

感想:オリーブオイルは搾油機から作られます。

端的に言うと、調味料の成り立ちを知ることができて大変身になる経験でした。

クリシェな意見ですが、生活を豊かにさせる材料を支えているのは生産者の努力と技術という当たり前なことを改めて思い知らされました。具体的には、オリーブの株を苗から育て、花を受粉させ、最終的に得られた実から油を抽出する役割を担っている諸々の労働者や関係者が上手く連携することでオリーブオイルが完成しているんだなと実感しました。

いわば、一人一人が固有の歯車で、各々が相互作用し一つの搾油機として稼働しているんですね。この一連の行程は搾油、そして「作油」でもあるということですね。

最後に

最後に覚えてほしいのは、オリーブをリーブ(放棄)してはいけません!ということです。脇役だからといって軽視するにはもったいない、奥深い食材・製品でした。

あと、オリーブ(Olive) の綴りに “live” (生活や生命)が組み込まれていたのが興味深かったです。オリーブが現地の人々の生活の礎になっていたのだろうかと思いを馳せてみました。もしそうなのであれば私達の生活を形作っている肝要な要素の一つなのかもしれませんね。

Olive, O'live you so much!

参照


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?