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解析学

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主に学部3年以上向けの解析学に関する記事です。難解だと思います。
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群上の調和解析

群上の調和解析


読書感想と備忘録抽象調和解析をやってみたいと昔から思っていたのだが、2週間前に下の本を買い一応全部読んで面白かったのでこの本の感想と私自身の思考のまとめ的に執筆しようと思った。前準備とかが結構面倒くさく書いてて誤りがあるかもしれないので、その際は指摘ください。

本の目次と概要位相群

Banach代数

局所コンパクト空間上の積分

Haar測度

抽象調和解析

であるが、5章の抽象調和解析

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解析学のストーリー〜大学数学を学ぶために〜

解析学のストーリー〜大学数学を学ぶために〜


解析学の位置付け代数学、幾何学、解析学というのが純粋数学における3大ジャンルとされている。
代数学は大きさのない点、それ即ち何を思っても良いというものをまるで代数学というものそのものの単位元と思えるような学問に対して、解析学というのはその「点」を関数というものに具体化したものといえる。関数とは2変量の関係があって初めて定まるものであり、その意味で本来は単位元にならないが、例えば線形代数における行

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面積の拡張とルベーグ積分~その1~

面積の拡張とルベーグ積分~その1~


最も挫折率の高い分野!?大学の解析学の中でもルベーグ積分は最も挫折する人が多いのではないだろうか?
少なくとも私が学生だった頃はそうだったが、今は分かりやすい本も多いと思うので学生の印象は変わるのだろうか?
この分野は高校までの積分(※リーマン積分という)の捉えなおしという側面を持っていて、積分と言うのだからやっているのは関数が作る面積の定義のし直しなのであるからイメージ図的な直感と結びついてい

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数学のミレニアム問題~Navier-Stokes方程式~

数学のミレニアム問題~Navier-Stokes方程式~


ミレニアム問題とは2000年にClay財団が7つの未解決問題の事であり、それぞれの未解決問題に100万ドルの懸賞金がかけられているというものである。
私は大学院の頃にNavier-Stokes方程式周りをやっていたのだが、何も専門知識がない人が見てこのミレニアム問題に近いと言えば近い(※ちょこっと触った人から見れば全く違う)所をやっていたので、この問題だけは知っている。
また2日前に実に10年ぶ

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