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サイケデリクスのランキング


このランキングはティモシーリアリーの1964年の著書
「チベット死者の書サイケデリック・バージョン」内で提唱されたランキングです。

もちろん科学的な検証や裏付けはありませんが、60年代以降サイケデリクスは十分な研究ができなかったため、アカデミックな研究の数は少なく、サイケ探求者内ではある種の定説になっています。

ティモシーリアリー

ティモシーリアリー(Timothy Leary, 1920年10月22日 - 1996年5月31日)

ティモシーリアリーは心理学者という一方、サイケデリクス研究者としても有名で、

LSDやシロシビンを利用した心理療法を実践的に行った人物です。

患者だけではなく自身にもサイケデリクス物質を投与し、その経験を独自のアプローチで分析、サイケデリクスが人体に引き起こす影響や、脳や感情そのものの仕組みを研究しました。


晩年(80年代後半)はサイケデリクス以外にもコンピュータに興味を持ち、コンピュータは意識を拡張させる点などサイケデリクスとの共通点を見出しました。その経験から


「幻覚剤は脳の再プログラミング物質である」


という考えを説き、

彼のサイケデリクス著書は今でも多大な影響を与え続けています。


いくつかの著作は日本語訳されているのでご紹介します。

「チベット死者の書サイケデリック・バージョン」
「フラッシュバックス―ティモシー・リアリー自伝 ある時代の個人史および文化史」

とりわけ「チベット死者の書サイケデリック・バージョン」は"Psychonaut"(サイケデリクスを探求するものたち)のバイブルとして扱われています。






彼の思想には東洋思想が強く、とりわけチベット仏教の影響を色濃く残しています。

ティモシーリアリーとThe Beatles


また彼はビートルズとも親交が深く、

ビートルズの名曲 "come together"の元は、

ティモシーリアリーがヒッピームーブメントの中、カリフォルニア州に立候補する際のスローガンでもありテーマソングでした。

ご存知の通り、ビートルズはサイケロック以降、東洋思想に傾倒しました、
あくまでも憶測ではありますが、その点で彼らとリアリーは通じ合ったと推測できます。




チベット死者の書(原典)とチベット死者の書サイケデリック・バージョン

リアリーはサイケデリクス物質を心理的な自己防御を剥ぎ取るものと認識しました。

彼はチベット仏教(ニンマ派)の仏典「チベット死者の書」に記載されている、


「チベット死者の書内の死と再生の段階」と
「サイケデリクスがもたらす死と再生の段階」に類似点を見出します。



原典を元に、そこから彼自身のサイケデリクスの体験のレベルを5段階に落とし込み、そして分類し、提唱しました。
それが「チベット死者の書 サイケデリック・バージョン」に記載されている"5 LEVELS OF PSYCHEDELIC EXPERIENCE"です。

"5 LEVELS OF PSYCHEDELIC EXPERIENCE"



レベル1:

一般的なドーズ量のマリファナが、この状態を引き起こします。

ユーザーは穏やかなハイを経験し、それにより気分と性的感覚が高められます。左脳と右脳のコミュニケーションは微妙な変化をし、五感が混ざり合い、僅かな共感覚を誘発します。普段より音楽をより鮮やかに知覚し、イメージや感情と混ざり始めます。



レベル2:

このレベルは、ハイドーズの大麻またはロードーズのシロシビンによって引き起こされます。

ユーザーは閉じたまぶたの裏側でパターンを認識するなど、穏やかな視覚効果を経験し始めます。この時の思考は脳内の通常の思考フィルターを迂回し、自由で抽象的で、なおかつ創造的な思考パターンの増加をもたらします。また無意識の感情と思考が顕在化します。

少量のペヨーテおよび中程度のMDMAでもこの状態を誘発します。



レベル3:

このレベルは、通常量のシロシビンまたはLSDで引き起こされます。

フラクタル模様が視野を支配し、歪みや万華鏡のようなイメージは閉眼または開眼時でも知覚されます。微かに肉体的エネルギーが感化され、人生に対する深い洞察が知覚されるかもしれませんし、

あるいはエクスタシー(シャーマニズム研究用語では仮死状態になり霊魂が肉体から抜けて霊界に赴くこと)が起こるかもしれません。感覚の混ざり合いはさらに顕著になり、解離体験も引き起こします。



レベル4:

LSD、シロシビン、ペヨーテ、MDMAを大量に服用すると、レベル4を体験できます。

強い視覚パターン、強い視覚体験をし、幻覚の直接的な体験をも経験します。時間感覚がなくなり、アストラル世界(とりわけ新プラトン主義で考えられる概念で地球上で死んだ人々が行く精神的世界。他にも東洋哲学や土着宗教に似た概念がある)に行くことができる。

目を開くと、物体は明らかに凝縮されたエネルギーの形で露出されることもあります。体外での精神的な経験、強い精神的な洞察、そして知恵への直接の認識はこのレベルに相当します。



レベル5:

これはサイケデリック状態の最深部であり、通常DMTまたはかなり高用量のシロシビンで得られます。

このレベルは幻覚体験の完全で絶対的な没入感を特徴としています。しかしこの状態は経験や思考の点で明らかにレベル4以下と異なっています。 それは「悟り」、あるいは大きな生命力との結合と呼ぶことができます。これは感情の嵐、涅槃、完全な超越(形而上学的な意味での)と呼ぶこともできます。この状態では他の次元の存在に遭遇するかもしれません。

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