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最後の夜泣きはいつなのだろう。

#20240415-384

2024年4月15日(月)
 新学期がはじまって、1、2 ……あぁ、8日目になる。
 里子のノコ(娘小5)はクラス替えのある進級時はもちろん、長期休暇明けの学期のはじめの度に夜泣きをした
 泣くというより叫ぶに近い。
 汗をじゃっぷりかきながら、ベッドの上に正座してドンドンと敷布団を叩いたり、歩きまわったりする。「なんで! なんで!」「どうして!」「イヤッ、イヤなのッ!」。泣くだけでなく、言葉を発するときもある。
 駆けつけるのが少しでも遅れると居間までやってくる。
 目は開いているが、焦点は合っていない。
 翌朝、ノコに尋ねると記憶がない。

 環境の変化が原因かと思ったが、我が家に委託された幼稚園年長児、小学校にあがった1年生のときは泣かなかった。
 2年生になって、いきなりはじまった。
 それ以降は毎学期泣く。だいたい就寝の1時間後なので、私もむーくん(夫)もまだ起きているためすぐ対応できる。寝ているのを起こされるわけではない点は親孝行だ。
 毎晩泣くこともあれば、数日おきのときもある。
 だいたい2ヶ月は続く。
 はじめの頃は、「大丈夫?」「怖い夢でも見た?」「どうしたの?」とたくさん声を掛けた。問われると覚醒してしまうらしく、その後なかなか寝付けなくなり、かえってよくなかった。ノコとしては思い当たることがあるわけではないため、質問すると頭が考えだしてしまうようだ。
 ただ静かにベッドへ誘導して横たわらせ、「よしよし」と髪や背をなでていればストンと寝てしまう。そのほうが早いことを学んでからは問い掛けはやめた。
 委託時、入学時ではなく、ある程度我が家と小学校生活に慣れはじめた2年生ではじまった夜泣きを当時は不思議に思ったが、おそらく張っていた気がゆるんだのだろう。それで日中の小さな出来事が刺激となり、爆発するのだと思われた。
 次から次へと新しいことが登場する勉強、友だちとの行き違いによる喧嘩。
 毎日毎日、楽しいだけではない学校生活とノコは全身全霊で向き合っているのだ。

 4年生の3学期は泣かなかったと思う。
 今夜こそは泣くだろうと構えるうちに過ぎてしまった。
 さすがに小学校生活も4年目。学期が変わるくらいでは動じなくなったかと思った。
 それでも、クラス替えと担任教諭が変わる5年生への進級時は夜泣きをするだろう。
 春休み明けの始業式当日は1時間授業で、登校したかと思ったら即帰宅した。そんな短時間ではまだ環境の変化に気付かないかと夜泣きをしなくても驚かなかった。
 給食がはじまり、授業が本格的にスタートすれば、4年生との違いを実感するだろう。
 まだ。
 まだわからないが、新学期が8日過ぎた現時点においてノコは夜泣きをしていない

最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て

俵万智「未来のサイズ」(角川書店)

 歌人の俵万智の歌を思い出す。
 ときに「最後」が子どもからの宣言でぱっきりはっきり訪れることもあるが、大抵はまだらで、頻度が減り、またせがまれを繰り返すうちにいつのまにか終わっているように思う。
 最後の夜泣きはいつだっただろうか。
 いや、本当にもう終わったのだろうか。
 まだ8日目。
 まだわからない。
 小学校での夜泣きは終わったとしても、中学校進学時はわからない。
 さすがに中学生になって夜泣くことはないとも思うが、そういうもんじゃあ、きっとない。
 子どもの心の葛藤が目に見える形でわかる時期は、きっと振り返れば短くて、貴重なのだと思う。

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