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一時保管箱は、「出しっぱなし箱」に変身!

#20230823-206

2023年8月23日(水)
 ノコ(娘小4)は出したら出しっぱなし
 使い終えた物は、その場で手を離してしまう。その場所に配慮はない。たとえ踏まれたら壊れるような物であっても床に放置する。
 ノコが居間に放置したものを入れる「一時保管箱」を用意し、箱に書いてある処分日を過ぎたら売るなり、捨てるなりすることにした。
 この箱のおかげで、私は何度も何度も「片付けて」といわなくていいし、いわれても動かないノコに苛立つこともなくなった。ノコも私にいわれたくないことをいわれずに済む。売り手よし、買い手よし、世間よしではないが、散らかし手、片付け手、家のなかの3つが幸せな三方よしだと思ったが、ノコは処分日を過ぎた空の箱に気付くと、怒りまくった。
(※ 「#20230820-203 片付けない物は『一時保管箱』に入れる。」参照」)

 目下、ノコの気分を害する一時保管箱は、クローゼットのなかにまさに一時保管中だ。
 私の心の平安が遠のいてしまった。
 いくらノコが今後は私が「片付けて」といったら、パッと片付けるといったものの、いつまで効果があるかかなり怪しい。箱に放り込むほうが楽だ。

 「ママァ! ここにあった私の手帳は?
 ノコがランドセルラックにあるごった煮のような引き出しを掻きわけながらいった。
 「知らないよ。よく探してごらん」
 「ないもん。ママが捨てたんでしょ
 ギロリとノコが私を睨む。
 いや、捨てていない。一時保管箱を用意してから、手帳の類いを入れた記憶はないし、それ以前のことならノコに断らずに捨てることはない。
 「手帳は捨ててないよ」
 ノコは私が先日一時保管箱に入っていた物を「いちいち覚えていない」といったことはしっかり覚えていて引かない。
 「このあいだは覚えてないっていったじゃん! 覚えてないんだから、捨てたってこともあるよね」
 あぁ、安易にいわなきゃよかった。面倒なことになってしまった。ノコの物のしまい方は気分次第に見え、行き当たりばったり、何がどこにあるのか見当がつかない。
 「これってさ、ママが出しっぱなしにした物も捨てていいっていうことだよね」

 私はノコに誇れるほど片付けが得意なわけではない。
 ノコのように床に直接置いたり、人がよく通る動線上に放置したりはしないが、作業途中のものは棚の上などに積んだままになっている。いいわけになるが、ノコが我が家に来る前はもう少し片付いていた。子育て中の家庭にはありがちーー同類がいると思いたい!ーーで、子どもの世話に追われて片付ける時間が作れない。自分の物の管理のほかに子どもの物の管理まで加わるのもある。自分の物は自分で管理できるようになってほしいが、ノコの場合は遠い道のりになりそうだ。
 ーーママはあなたの物も気にしなきゃいけないのよ。
 そういいたくなるのを飲み込む。2人分の物の管理をする大変さを伝えたいだけなのだが、ノコは自分のせいだというだろう。
 ーー私がいるから、ママはお片付けができないんだね。ぜーんぶ私のせい。ママは私がいない方がいいんだ。私が悪いんだ!

 ふう、と息を吐いて、ノコに私の物を捨てられないよう考える。私個人の物と家庭の物との区別がノコにできるとは思えない。私物を捨てられるのも嫌だけど、家庭に関わる重要物を捨てられてはたまらない。
 「覚えてないっていったけど、あの箱に入れて実際捨てたものはまだないもの」
 使い勝手のいい一時保管箱は、危険な存在になってしまった。
 「ママは捨てていないからね」
 毛を逆立てたネコのようにフーフー威嚇するノコに念を押す。
 「ノコさんもママの物を勝手に捨てないでね」

 さて、どうしよう。
 ふりだしに戻ってしまった。
 居間の片隅に置いていた一時保管箱は期間が決まっていたこともあり、小さめの箱だった。私は大きめの段ボール箱を探してくる。そして、ノコの部屋へ運び、その側面に油性マジックの(太)ででかでかと書いた。
 居間に出しっぱなしだった物たちです。片付けてください。
 放置された物をノコの部屋にある箱まで持って行くというひと手間は増えたが、何度も何度も何度も何度も同じことをいうよりは、きっと百倍まし。

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