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『君たちはどう生きるか』は宮崎駿監督のランダム・アクセス・メモリーズである

観てきました。Daft Punkのアルバムに『ランダムアクセスメモリーズ』というのがあるんですが、まさに宮崎駿版のランダムアクセスメモリーズだなと思いました。例えが微妙ですがお許しください。

もう全てを手に入れたようにヒットをたくさん出しエレクトロミュージックのひとつのアイコンとなり神の領域に入った時期にリリースされたアルバムです。しかしその内容はお馴染みのエレクトロではなくソウルミュージックでした。そのため過去の娯楽を求める客からは不満の声もありましたが、結果としてグラミー賞を総ナメしてキャリア最高作の名誉を授かります。ですがそのアルバムを最後に解散してしまいラストアルバムということになってしまいます。

Daft Punkは何故解散しなければいけなかったのか〜ぼくなりの考察|CMJK (note.com)

この映画を見始めた時からずっとそのときのDaft Punkのイメージと重なるのです。エレクトロミュージックは完全に市民権を得てその代表者となったのに、あえて自身のルーツを再現するかのような古い音楽を鳴らす。

ジャパニメーションは世界を制したのにあえて自身の歩みを見つめ直したかのように、CGも使いつつ監督の衝動に素直に描かれていくような古くてアナログな演出にそんなDaft Punkの衝動とも似た何かを感じてしまいました。きっと本作はアカデミー賞でも話題になるのではないでしょうか。

まさに「俺はこう生きたけど君らはこれからどうする?」と問いかけてくるような作品でした。あまりネタバレしたくないのでこの辺で。


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