塔 掲載歌(2023. 4月号)
あざやかな緑の表紙の塔4月号。
作品2 岡部史さんの選で、鍵前2番目におります。探して、最後に目次を見たときのよろこび…。7首を掲載いただきました。
自分らしいと思える歌を選に入れていただき、とても嬉しい。
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心地よいはやさが違うひとといて一秒ごとにすすむ秒針
ひと気ないオフィスの自販機 落下する水はだれかの伝言のよう
タイマーを押し忘れたらタイマーの沈黙に気づくまでの空白
あるはず、と思えば夜をやすらいで冷蔵庫にはひかりも仕舞う
涙ぐむように半月欠けさせて 鋭く刺す刃が包丁なのに
食べたものどおりのからだなら、ふたりおなじからだを並べる月下
生きたさと死にたさにすぐ揺らされる透けないからだはおもいよ海月
/ 鈴木精良
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また、二月号評で朝井さとるさんから評をいただきました。ありがとうございます。
噛みしめる夕飯どきのニュースではだれかのことを肩入れしてる / 鈴木精良
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