塔 掲載歌(2023. 12月号)
2023年最後の塔では、作品2梶原さい子さん選の鍵前に7首掲載いただきました。
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眠れない夜はすべてが耳になる海をめざして落ちる水滴
ぼんやりとひとの言葉の先をみて証明写真は笑いすぎない
わたしにも温度があるということの涙にながしたいのは自意識
くちびるを読み解きたくて見つめてる名づけられない花だとしても
いま鍵をかけているのは置き去りのことば 部屋からそっと離れる
寄り道とよぶには遠くかえれない街あかりみな星の切先
目に海を携えながら張力は零さずにいるこころのちから
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選歌後記では「くちびるを…」の一首について取り上げていただきました。評をいただけて、とても嬉しいです。
巻末には「二〇二三年「塔」総目次」という一年の誌面の記録となる目次があります。
この中で、作品2、新樹集に鈴木精良の名前を入れていただきました。
憧れの歌人の方々と一緒に名前を並べていただくことの有り難さ。噛みしめております。
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