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塔 掲載歌(2023. 3月号)

3月号の塔誌。
作品2 梶原さい子さん選で、鍵前2番めに7首を載せていただきました。目次にも名前が載り、驚きまじりの嬉しさです。

※ ※ ※

途切れてもこえてもいけない線をひく硝子のような気づかいの輪に

線描の横顔ばかりちらついて冷えた睫毛の針葉樹林

だいじょうぶ、ゆっくり鏡は笑ってる瞳に嘘を漂流させて

なんぜんかい揺らいでここに帰る旅 洗濯槽のいたいけだった

あたたかな時間にいつか消えるから祈りは六花の結晶に似て

ほんとうに知りたい夜は揮発性うつわに満たすことができない

ぼんやりと立ち枯れる窓のさぼてんの与えるほうになりたかったの
/ 鈴木精良

※ ※ ※  

作品2へ上がって、そうそう鍵外には入れていただけないだろうと覚悟しておりましたので。
しみじみうれしい…。

4首めの洗濯槽の歌は、選歌後記でも引いていただきました。ちょっと思い切って、というか、笑われてしまうかな…と不安もある歌だったので殊更にうれしいです。

また、一月号 若葉集評で白澤真史さんに、作品一首評で西之原一貴さんに同じ一首を引いていただきました。皆さんに触れていただいて、ほんとうにしあわせな歌です。

幾重にも窓をひらいた画面から〈雨が近い〉と詩片がとどく / 鈴木精良


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#短歌
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