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塔 掲載歌(2023. 11月号)

塔11月号では作品2 岡部史さん欄の鍵前に7首を掲載、さらに選歌後記で言及いただいております。

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さみしさを胸に引きうけ立つ決して遠くなれない離島のままで

たよりないいのちの軌跡戒めをとかれたようなモンシロチョウは

ためしても見えないこころランドルト環を永遠欠けさせている

あじさいが土をえらんで変える色わらいかたから忘れてゆくの

沈みゆく午睡の際(きわ)でひかる波 伏せたページのずっと潮騒

海の泡はじけるときはみな白くあなたに何も残せなかった

分包のくすりをちぎる指さきにすこしこぼれる過去の粉々
/ 鈴木精良


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