塔 掲載歌(2023. 1月号)
塔1月号では若葉集 なみの亜子さん選で6首を掲載いただきました。ありがとうございます。
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記憶とはこぼれるしずく海沿いの鉄路の窓は無邪気にひかる
歩道には掃きあつめられた黄葉のただひとときの整然として
約束と束縛のはざま かさねあう手に混ざらないそれぞれの脈
幾重にも窓をひらいた画面から〈雨が近い〉と詩片がとどく
ちぎれてもちぎれても声をあげない雲柔らかくほほえむような
呼びかけたわたしの声の昏がりに引き摺られてくる夜のカーテン
/ 鈴木精良
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3首めは薄暑なつさんとのいちご摘みで作った歌でした。いつもありがとうございます…!
また、十一月号評で黒沢梓さんに引いていただきました。
木は森に悪意は善意にかくされてうつくしさだけで手にとるトマト / 同
今月で若葉集卒欄ということで、「若葉集を終えて」に文章を載せていただいております。お読みいただけましたら嬉しいです。
早いですねえ。塔に入って、もう1年が経ちました。あっという間です。
来月からは、作品2の欄に移り、先輩歌人のかたたちと一緒になります。
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