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塔 掲載歌(2022. 12月号)

塔12月号、今月は若葉集 山下泉さん選で6首を掲載いただきました。ありがとうございます。

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触れなければ沁みない水だ キャスターが夜のニュースで語る淡々

誰ひとり傷つけることなく閉じて揺りおとすのは雨の残骸

笑いあう 山積みの懸念ひとつずつ片づけるまでながい宿題

まだここが居場所とちいさく鳴いているブランコ心のこりが揺らす

朝の月しろく鎮静剤とけて街灯すべて眠りはじめる

移ろいの季節の張力にぎる手にふたりは一日年老いてゆく

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3首めは桝枯井戸さん、5首めは薄暑なつさんとのいちご摘みの歌です。ありがとうございました。

選歌後記で「移ろいの…」の一首に触れていただき、胸が震えるようなお褒めの言葉をいただきました。歌を高めていただいた気持ちです、ありがとうございます…!

さらに十月号評で羊九地さんから2首への評をいただいております。とても丁寧に読んでいただいて、驚きまじりの嬉しさでした。

わかりあえなさの確かな毎日に心臓のふりをしてる空洞 / 鈴木精良

はじめての言葉やしぐさ、生いたちを知らない国の童話のように / 同

そして、今月はもう一カ所。
p194方舟の、水越和恵さんの十月札幌歌会報告に歌を引いていただいております。写真で、吉川宏志主宰の後ろに立っています。

ふもとへとたどり着いても虹色はにじいろだろうか 揺りかえす雨 / 鈴木精良


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