藤本正雄(ふじもと まさお)

株式会社小宮コンサルタンツ 経営・人材育成コンサルタント  経営戦略、事業計画の策定・…

藤本正雄(ふじもと まさお)

株式会社小宮コンサルタンツ 経営・人材育成コンサルタント  経営戦略、事業計画の策定・実行支援、人材育成等に携わる。 米ギャラップ社認定ストレングスコーチ、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、豪州ボンド大学MBA 基本的に、土日祝・夏休み・年末年始を除く平日に投稿します。

マガジン

  • Good to Great ― KC B team

    • 1,848本

    小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです

  • 人と組織を考える

    • 606本

    人々が同じ目的を追求するとき、力を合わせて働くために、どのような形のグループとして結集すれば、一人ひとりが生き生きと活躍し、グループとして大きな成果が出せるか? これを考えることが人と組織を考えることで、それは経営だけでなく社会運営全般にかかわる重要課題です。この課題に関する投稿を集めたマガジンです。

最近の記事

脳波の状態を可視化する

大阪にある「COCOTORE(ココトレ)」で気軽に脳波の測定を体験できると聞いたので、先日試してみました。 以下、ココトレに許可を得た引用等をしながら、考えてみます。 自分の「こころ」が今どのような状態なのか、なんとなく感じることができますが、いまひとつわからないものです。こころの状態に大きな影響を与えているのが、脳波です。 「α波」といった脳波に関する言葉を聞いたことがある人も多いのではないかと思いますが、ではその「α波」とはどんなもので、自分の「α波」がどんな状態な

    • 「査定改革」を考える

      先日、社員の評価制度を再構築している企業様と打ち合わせる機会がありました。 「これまでは、社員が何をしたら評価されるのか、明確でなかった。評価結果のフィードバックも十分になかった。互いの納得感がある中での評価ではなかった。今着手している制度リニューアルによって、評価すべき要素が評価され、かつなぜそれが組織として評価対象となるべきなのか理由が語れるようになると感じる」というお話でした。 4月22日のヤフーニュースで「【日本ハム】好調の裏に〝査定改革〟 新庄監督「やる気にさせ

      • リスキリングの意義の説明

        4月17日の日経新聞で、「リスキリングの現状と課題(上) 企業の説明・成果の還元 必須」というタイトルの記事が掲載されました。 しばらく前からリスキリング(学び直し)という言葉をよく聞くようになりました。技術革新をはじめ企業を取り巻く環境は変わり続けます。その中で、世界中で従来のスキルや仕事の進め方が陳腐化して、人と職務のミスマッチが広がっている背景を受けて、提唱されている概念です。同記事は、リスキリングについて考察されている内容です。 海外では国の成長戦略の一環として国

        • 輸出で販路を広げる

          4月20日の日経新聞で、「「TATAMI」世界に香る美 魅力拡大へ畳みかけ」というタイトルの記事が掲載されました。海外の家屋で、日本の畳を好んで取り入れられる例が増えていることを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 不動産関連の方からは、賃貸物件の新規入居者募集にあたって、和室を洋室にリフォームする提案をよくすると聞きます。理由は、畳部屋だと若手世代への受けが悪いためです。同じ間取りでも、洋室にリフォームして畳からフローリングに変えるだけで、客付きがよくな

        脳波の状態を可視化する

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        記事

          サピエンス全史から合成の誤謬について考える

          知人が主催する読書会に、毎週日曜日参加しています。今取り組んでいる課題図書は、『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ氏著)です。全4部中、第2部に差しかかった段階ですが、表面的にしか知らなかったことへの理解が深まり、多くの気づきがあります。 同書の読み込みを通して、一貫して「合成の誤謬」が大きなテーマとして頭の中に浮かんできます。「合成の誤謬」について、ウィキペディアでは次のように説明しています。(ウィキペディアを引用しながら作成) ミクロレベルでは合理的と考えられる

          サピエンス全史から合成の誤謬について考える

          「1つの部に3人の部長」体制を考える(2)

          日本の人事部サイトで「職務を分担することで、求められるミッションを推進 管理職の成果を高める、日揮グループの「管理職分業」」というタイトルのインタビューコラムが掲載されました(4月9日付)。 管理職の負担が年々重くなっていると言われている環境下で、管理職に期待される機能を複数人で分業することを制度化しようとするものです。 同記事の一部を抜粋してみます。 同社の管理職分業の取り組みについては、以前にも取り上げたことがあります。その際にも、1人の人材がマネジメントに必要な機

          「1つの部に3人の部長」体制を考える(2)

          牛丼の値上げから考える

          2024年4月17日の日経新聞で、「牛丼を分解してみた 1杯の原価は4割上昇、値上げ再び?」というタイトルの記事が掲載されました。デフレの象徴といわれることもあった牛丼の価格が上がっていることを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 飲食店の経営で必要な費用は、食材だけではありません。物流、調味料、食材の加工、賃金、店舗の管理など、他にも様々な経費がかかります。同記事の試算では、この1年間食材だけで100円程度のコストアップ要因があったということですが、賃上

          牛丼の値上げから考える

          孫育て休暇から考える

          3月16日の日経新聞で「孫育て休暇、地方公務員に広がる 郡山市は45人利用」というタイトルの記事が掲載されました。育児休業・育児休暇の制度が孫まで対象になるという概念が自分の中でなかったため、新鮮な内容でした。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事からは、現存する様々な社会制度や企業内の雇用制度ができた当時から、環境変化を踏まえたうえで、改めて2つの前提を見直す必要があることを感じました。それは、「世帯の構成メンバー」と、「メンバーの属性や取り巻く実情」です。 子ども

          働きがいのマイナス要因とならない賃金設計

          4月13日の日経新聞の第1面で、「高齢者の「働き損」解消策、年金減額の緩和議論 保険料納付、45年に延長案」と「教員「残業代」2.5倍以上に 中教審案、人材不足で50年ぶり増」というタイトルの、2つの記事が並んで掲載されていました。働いたのに賃金としては報われない「働き損」について取り上げた内容です。 「高齢者の~」の記事から一部抜粋してみます。 「教員~」の記事からも一部抜粋してみます。 賃金という報酬の性質については、これまでもテーマにしたことがありますが、切り口を

          働きがいのマイナス要因とならない賃金設計

          ウィスキーの乾きが良い思い出に

          先日、知人のAさんとお会いしました。オンラインで接点はありましたが、個別にお話することも対面でお会いすることも、先日が初めてでした。その機会、そして、その時の出来事が、たいへん印象的でした。 Aさんは、私よりひとまわり上のご年齢で、いくつかの業界で卓越した成果を上げ、複数の会社経営もなさってきた方です。コーチング領域においても私の大先輩で、ビジネスや対人コミュニケーションにおいて多くの知見をお持ちです。 いろいろな意見交換をしながら飲食しました。その中で、私が主催していて

          ウィスキーの乾きが良い思い出に

          大学生の就職企業人気ランキングを考える

          4月は、新入社員研修を担当する機会が増えます。毎年この時期に新入社員の皆さんとご一緒することで、仕事の初心を思い起こさせてくれます。 4月9日に、NIKKEI・マイナビ2025新卒採用広告特集が掲載されました。2025年卒の大学生を対象とした、就職先にしたい企業の人気ランキングを紹介したものです。 理系総合では1位はソニーグループ、文系総合では1位はニトリで、それぞれ前年から連続で1位です。ソニーグループについては、次のように紹介されています。(一部抜粋) ニトリについ

          大学生の就職企業人気ランキングを考える

          年収の壁を考える(2)

          4月6日の日経新聞で、「年収の壁超え、生涯手取り増やす 厚生年金加入で大差」というタイトルの記事が掲載されました。年収が一定額を超えることで、税や社会保険の負担が増すいわゆる「年収の壁」は、労働供給力の制約の一因にもなっています。賃上げすることで、年収が一定額を超えないようますます勤務時間を減らす「働き控え」が増えることも懸念されます。 ただし、年収の壁には誤解が多く、壁を超えて働く利点が十分理解されていないということを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。

          年収の壁を考える(2)

          東京ガーデンシアターでの女性用お手洗いの工夫

          4月7日放送のテレビ番組「がっちりマンデー」で、住友不動産商業マネジメント株式会社による東京ガーデンシアターでの取り組みが紹介されていました。女性用お手洗いの行列をなくすための工夫です。 その工夫というのは、「男性用お手洗いと女性用お手洗いの壁を可動式にし、当日のイベント内容に合わせて位置を変える」です。 東京ガーデンシアターは、2020年 6月17日にオープンした施設です。公式HPを参照すると、次のように紹介されています。(一部抜粋) 同番組によると、利用者の7割は女

          東京ガーデンシアターでの女性用お手洗いの工夫

          期末賞与の支給方法

          先日、ある経営者様とお話している際に、次のような問いかけを受けました。 「会社として目標を上回る利益を上げた時に、夏・冬の賞与とは別に、利益を社員に還元する期末賞与を出そうと思う。期末賞与の出し方として、社員全員に一律で等額支給するのと、評価結果や役職等の階層に応じて支給金額を分けるのと、例としてどちらが多いだろうか。また、制度化するにあたって留意点はあるだろうか」 会社が想定以上の利益を上げた時に、期末賞与として支給し社員に還元している企業は、よく見かけます。次の3つの

          賃上げと労働分配率を考える

          先日、ある経営者様とお話している際に、次のような問いかけを受けました。 「賃上げのニュースがにぎやかだ。以前は大企業中心だったが、ここにきて中小企業にも波及していると聞く。しかし、基本給を含めた月例給与部分は賃下げが難しいため、一度賃上げすると半永久的にコストアップ要因になる。よって慎重にかからないといけない。周囲の企業を見て、賃上げの動きの実感値としてはどうなのか。」 中小企業にも賃上げの動きは広がっています。元請けから下請けへ、買い手から仕入先へ、荷主から運送会社へ、

          賃上げと労働分配率を考える

          制度の目的から考える

          2月26日の日経新聞で「「育休手当の壁」を壊せ」というタイトルの記事が掲載されました。育児休業にかかる手当制度の見直し提案をしている内容です。 同記事を抜粋してみます。 興味深い着眼点だと思います。 上記提案と同様の制度として、再就職手当が挙げられます。 失業者の早期再就職を促すために、厚生労働省が「就職促進給付」として設けたものです。失業保険受給中に再就職が決まると、残りの給付日数と前職の給与に応じた手当がもらえる制度です。 再就職した時点で失業保険の給付日数が多く