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頭痛キャラメル 第十一話【天国からの頑張れ】

僕には二人のおばあちゃんがいる。母方のおばあちゃんと、父方のおばあちゃんだ。

父方のおばあちゃんは、若い頃、男勝りだったらしい。かけっこは、男の子より早くて、運動神経は良いらしい。小学生の僕のクラスにも、そんな感じの女の子がいる。僕は、昔からスポーツが苦手で、体育の時間が一番苦手だった。母親に持たされた体操服をこっそり隠して、忘れた振りをして、体育の授業を見学にしてもらったりして、とにかくスポーツが苦手だった。

しかし、不思議なものでそんな僕は、スポーツが得意な女の子を好きになっていた。色が黒く日焼けしていて、ショートカットの活発な、女の子を好きになることが多かった。

僕は病弱で、複数の持病(喘息とか)を持っていて、学校にはほとんど登校できなかった。僕は、父方のおばあちゃんとは、真逆の病弱体質の小学生だったのだ。

おばあちゃんは、いつも、僕に「男はしっかりとしないといけませんよ!しっかり、頑張りなさい。」と、カツを入れてくれた。しかし、僕はおばあちゃんの期待に応えることができないでいた。おばあちゃんは、僕には男の子らしく活発になって、強い男の子になることを期待されていたが、その期待にも応えることができないまま、時が過ぎていった。

しかし、少し大きくなった頃の僕に、おばあちゃんは、このように言ってくれた。

「男は、どんどん前に進みなさい。そしてね家族をもったら、しっかりと養っていくんですよ。しっかり働きなさい。」

とか、ある時は

「男は、海外に行きなさい。この日本から飛び出して、どんどん海外に行きなさい。そして、大きな人になりなさい。」

と、僕にいろんな言葉をくれた。

やっぱり、スポーツができて、活発な女の子は、さらに、活発で、海外にじゃんじゃん進出するような大きな男を理想としているのか。僕はその理想からかなりかけ離れてるな。と気がついた。

おばあちゃんは、おじいちゃんに、そして、子供(僕の父親)に、そして、孫の僕に、その期待をかけてくれていたに、ちがいない。

おばあちゃんは、僕には、何度も何度も、メッセージを語り続けてくれた。そして、今でもその時の、言葉は忘れない。その言葉は、

「頑張れ、がんばれ、がんばれ」と、言ってくれていて、大人になった今の僕でも、励みになっている。おばあちゃん、精一杯頑張るよ。天国から、見ていてね。

第十二話につづく

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