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「若手はおとなしくて当然」と言った、ある経営者の話

「若手がおとなしい」「若い人に元気がない」そんな呟きを聞くことは少なくありません。「どうしたら組織に活気が出るか?」という相談をいただくこともありますが、共通しているのは、どうしたら“若手が自分の意見を言えるか”です。

ただ、ある企業の経営者に話を伺った際、これとは全く逆の考えを持っていました。それは、どうしたら“若手の意見が聞けるか”でした。

『若手を見てるとね、どうも自分の頃と比べて元気が無いように見えるんです。でもね、組織が成長すると規則や階層が生まれる。経営との距離は遠くなるし、若手が自分の意見を言いづらくなるのは当然なんですよ。だから問うべきは、私たちが「どうやって意見を集めるか?」なんです』

この話は当時(今もギリギリ?)若者の立場であった僕自身に突き刺さりました。組織風土という環境の影響はとても大きい。だから若手の努力に任せるのではなく、「自分の意見を持つ若手」と「若手の意見を聞くベテラン」、この2者の相互努力により活気ある組織は作られると学びました。

僕自身は在宅秘書・アシスタント事業の「YELL FOR」を運営していて、鳥取県内を中心に約20人が在宅、いわゆるフルリモートで働いています。先ほどの教訓に習った仕組みを作っていて、例えばその一つが、定期的に話をする場を設けること。

決して多くありませんが、月1〜2回は一人ひとりと1on1の機会を設けています。この場は決して「業務進捗」を確認するのではなく「この1週間はどうだった?」「気づいたことや心配なことは?」と、相手自身や相手から見た仕事や組織の話を聞く相手主体の場です。お互いの認識のズレをなくすとともに、オープンに話ができる関係を築く時間でもあります。

「若手がおとなしい。元気がない」への解決策は、今日、目の前にする人への言葉かけを変えることから始まります。「A社のことだけど...」と本題に入る前に「最近、仕事はどう?困ってることないかな」と声をかけてみるのはどうでしょうか。

恐らく、はじめはかなり不審がられます(笑)。が、しばらく続ければきっと、若手の新たな表情が見えてくるはずです。


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