見出し画像

【腸腰筋は鍛えるより"使える"ように】お尻歩きでコアのコントロール力を鍛える

姿勢が悪い(猫背や反り腰など)
股関節の不調がある
⚡座っているだけで疲れる
歩幅が狭い、歩くと膝や股関節が痛い、足がだるくなる

このような方は、腸腰筋がうまく使えなくなっている場合が多いです。

腸腰筋とは、上半身と下半身をつなぐ大きな筋肉で、姿勢の維持や呼吸、「歩く」「走る」といった日常動作に深くかかわっているインナーマッスルです。

世の中には「腸腰筋を鍛える」というエクササイズは多くありますが、私がそれより大事だと考えているのは「腸腰筋ちゃんと働かせる」ことです。

なぜなら、ただ鍛えただけではうまく使えず、せっかく鍛えても体の状態をよくすることにつながらない場合がとても多いからです。

ちゃんと腸腰筋が使えると、体の不調が予防・改善できますし、スポーツ・武道などの運動をしている方は、パフォーマンスアップに直結します。

この記事では、腸腰筋を鍛えるだけでなく、ちゃんと意識して使えるようになるための「お尻歩き」を解説します。

目にしたことがあるエクササイズかもしれませんが、腸腰筋を意識して使うためには重要なポイントがあります。

ぜひ参考にしてください。

執筆者 ふかやとしふみ
古武道師範、身体均整師(ボディデザイナー)。剣術を中心に武道・武術やさまざまなトレーニング、整体を実践する中で工夫してきた、体の不調改善、身体機能UPの方法を紹介しています。


1:腸腰筋を使えるとどうなるか

それではまず、腸腰筋が使えるとどうなるか説明します。

「理屈より先にやり方を知りたい」という場合は、ここは飛ばしていただいても問題ありません。

腸腰筋の機能として大きなものは、下記のものです。

✅脚をあげる(膝を胸に近づける)動き。歩く、走る、跳ぶ、などあらゆる運動にかかわる
✅姿勢を安定させる
✅股関節を適切なポジションで安定させる
✅寝ている状態から、上半身を持ち上げる

いろいろあるのですが、あらゆる姿勢や動きにかかわると考えていただいていいと思います。

逆に、ここがうまく使えていなければ、あらゆる姿勢、動きに問題が出てきます。
その結果、特定の関節に負担がかかって痛めたり、効率の悪い動きをして疲れやすくなったりします。

腸腰筋を使えるようになると、下記のようにさまざまな効果があります。

◎姿勢の維持が楽になる
◎日常動作が楽になる、疲れにくくなる
◎骨盤が安定し、上半身がリラックスできるため、肩こりが改善
◎運動をしている場合、身体機能が向上する
◎股関節の詰まり、引っかかり、可動域の問題などが改善する

私は、腸腰筋を使うことができるようになってから、明らかに体の状態が変わり、姿勢や動きが楽になり、武術における動きも向上しました。

そのため、あらゆる人がもっと腸腰筋を使えるようになるべきだと考えています。

(実際には、腸腰筋が単独で働くわけではなく、他の周辺の筋肉と連動して動きます。ただし、腸腰筋が意識できている場合と、そうでない場合で筋肉の連動の仕方が異なります。このあたりの表現は長くなるためこの記事では省略します。)

2:腸腰筋が使える状態とは(セルフチェック)

私の経験上、ほとんどの方は腸腰筋がうまく使えなくなっています。

腸腰筋を使えているか、自分で確認できることも大事です。
これから、簡単な確認方法を紹介しますので、ぜひやってみてください。

①スウェイバックや反り腰姿勢になっていないか

まず、まっすぐ立った姿勢になってみましょう。

このとき下記のような「スウェイバック姿勢」になっていると、腸腰筋が使えていません。

スウェイバックは、腰が前に出てしまう姿勢です。

また、下記のような反り腰姿勢になっていても、やはり腸腰筋が使えていません。

腰が反りすぎ、骨盤が前傾しているのが反り腰。

反り腰という姿勢は、背中・腰の筋肉を過剰に緊張させているか、逆に背中の力を抜いて腰の背骨(腰椎)が潰れてしまった姿勢です。
どちらにしろ腰痛の原因になります。

腸腰筋が使えていれば、骨盤がまっすぐ立った状態になります。

ただし、まっすぐ立てていても、腰、背中や太ももなど他の部位をガチガチに緊張させている方が少なくありません。

そのため、これから紹介するチェック方法も合わせて行ってください。

②長座で骨盤を立てる姿勢がつらくないか

長座とは、床に座って両脚をまっすぐ伸ばし、脚の間を閉じた姿勢です。

この姿勢だと、上半身が後ろに倒れそうになる方が多いと思います。
また、骨盤が丸まり、背中が丸まる形になると思います。

ここから、骨盤を垂直に近いところまで立ててみましょう。
垂直に近くなると、お尻の床に当たっている部分の骨(座骨)が地面を押すように感じるはずです。

骨盤が立っている長座。

骨盤を垂直に立て、お尻(座骨)で床を押せているか確認してみてください。

⚡垂直まで立てられない
⚡背中、腰が力んでしまう
⚡太ももの前側が力んでしまう
⚡太ももの裏がかたくて前に行かない

といった場合は、腸腰筋が使えていません。

この長座では、骨盤が立ってない。

同じことを、前屈の姿勢でもチェックできます。

前屈したときに
「地面に手がつかない」
「腰、背中がつらい」
「太ももの裏が痛い」

といった場合は、腸腰筋が使えていません。

また、これら以外にも、下記の記事でチェック方法を説明しています(有料ですが、マガジン加入者は誰でも読めます)。

これらのチェック方法は、これから紹介するエクササイズの前後で、変化を確認するために行ってください。

3:まず腸腰筋を使って骨盤を立てられるようになること

今回紹介する「お尻歩き」ができるようになるためには「腸腰筋を使って骨盤を立てる」ことができることも大事です。

これができないとお尻歩きもできない、というわけではありません。
しかし「骨盤を立てる」ができた方が、お尻歩きも理解しやすいと思います。

「腸腰筋で骨盤を立てる」ができると、
◎座り姿勢が楽になり、疲れにくくなる
◎腰痛の予防・改善になる
◎骨盤が安定し上半身がリラックスでき、肩こりや首こりが予防・改善できる
といった多くの効果があります。

詳しくは下記の記事で解説しています(こちらは無料で読めます)。

上記の記事で紹介している「骨盤を立てる」ができるようになると、腸腰筋のスイッチが入る感覚が分かるはずです。

具体的には、おへその下の下っ腹~鼠径部(股関節の前側のライン)~内ももの付け根が締まる感覚です。
また、このやり方で骨盤を立てられると、背中(特に腰)や太ももの力の緊張が抜けるようになります。

この感覚が分かると、最低限の力だけで骨盤を立てられます。

これができた上で「お尻歩き」に進めるのが理想です。
ですが、お尻歩きをしているうちに感覚が分かる場合もあるので「骨盤を立てる」がよくわからなかった方も、ぜひ先に進んでみてください。

※ここから先は有料です。
単発で購入することもできますが、この記事は下記のマガジンにも含まれています。
この他の「体の使い方」「セルフケア」などの記事も月に2本以上配信されるためお得になっています。購読をご検討ください。

ここから先は

2,108字

¥ 400

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?