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語られなかった彼を語ろう 映画『NOPE/ノープ』ネタバレあり 〜映画感想〜

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
上映日:2022年08月26日
製作国:アメリカ
監督ジョーダン・ピール
脚本ジョーダン・ピール
出演者ダニエル・カルーヤ キキ・パーマー スティーヴン・ユァン





映画館で観ればよかった〜〜。



ラストのアレを大画面で体験したかった。
抱きしめられる気分にもなれたかも。

***

正直、前半中盤は眠い。。

映像も美術も素晴らしいんだけど
この先どうなるのか何なのかが気になりすぎて
危なく早送りしそうになったし、眠かった。。

***

ダニエル・カルーヤのカリスマ性が嬉しくて
中盤以降覚醒していくのがカッコイイたまらない。

この映画の惜しいところは妹ですかね。。
ビアン設定になっていたりはするんだけど、演技が一本調子。。

複雑な立場だったはずなのに、元気な妹でしかなかったかな〜。

***

ネタバレなしで書くの無理。以降は以下に!












映画を観れば大体わかるけどダニエル・カルーヤをレジェンド扱いにしたい映画。

つまりは「黒人の権利獲得、復権」。

〝映画〟というものの起源である『動く馬』(1878)に映っていたのが「馬に乗った黒人(黒人が乗った馬)」。
〝映画〟は馬と黒人から始まっていた。



ラストでダニエル・カルーヤは綺麗に画角に収まるように馬に乗って英雄として再登場した。

その姿は『動く馬』の彼のようであり、
アメリカでは英雄的存在のカウボーイのようであり、
死んだかもと思ってたら生還してきたという点で言うとキリストの復活っぽくもある(←これは言い過ぎか)。

黒人の権利獲得、復権というのが大きなメッセージではあるでしょう。
ジョーダン・ピール監督がいつもやってること。

**

あとは〝見せ物〟ですね。

イントロで
「私はあなたに汚物をかけ
あなたを辱め
あなたを見せ物とす」
ナホム書 6章3節
と言う文字が出てくる。

1887 年の『動く馬』で馬に乗っていたのが黒人だったってことは、当時の社会を考えると、

馬に乗ってるとこを高速写真で撮られてそれを並べてあたかも動いているかのように見せるということは、
〝見せ物〟程度のことだったのでしょうね。

〝映画〟という大産業の一歩だなんてまさか思ってないし、
確か「走ってる馬の足がどうなってるのか」を証明するための実験だったはず。

(ちなみに同年1887 年には同じエドワード・マイブリッジによる『階段を降りる女性』というフルヌードの女性が階段を降りる作品がある)

けして白人の貴族がやるような輝かしい名誉あるものではなかったのでしょう。
だからこそ黒人の彼は名前も残っていない(?)し語られてこなかった。

***

で、それをジョーダン・ピールとダニエル・カルーヤという稀代の黒人スターが現代で語り直しますよ。

というのがテーマの一つでしょう。

ふう、長かった。

**

あ〜あと「見せ物」か。

これは書くの難しい。

プロの考察を読むのがいいと思います。。。。

『動く馬』の黒人騎手は見せ物でもあり後にレジェンドとなった(or レジェンドにしたい)。

この映画の主人公たちは見せ物としてのUFO(あえてUFOと書きます)を撮影したいし、それを金儲けに使いたい。

まっすぐな見せ物。

スティーヴン・ユァン演じるサーカス?遊園地?みたいなとこで行われるUFOショー(星との遭遇体験)もまさに見せ物。

馬を食べさせようとしてたし、UFOを生き物として扱っていた。

チンパンジー出演の子供番組もそう。

で、UFOは実はそれ自体が生物であり空の同じ位置からずっとこちらを観察していた。

ということが判明して、見せ物の立ち位置が逆転する。

で、ここからどういうことなのか僕はわかんないです。。

悲しかったもん、UFOが爆破されてしまって。。

なんで爆死しちゃったんだろ、そりゃあんなのが上にいたらヤだけどさぁ。。

ある程度人格も感じたし、あのラストは悲しかった。

だからってこの映画を嫌いになるわけじゃないけど。。

で、UFOを倒すこと(妹はUFOの撮影)に成功し

ダニエル・カルーヤは奇跡の生還を成し遂げて、ザ・スターな感じで馬に乗ってスクリーンの中央に立って終わり。

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〝映画〟の映画でもあるのかな。

所詮見せ物であるんだけどそこから社会を良くするような英雄が生まれるし、とは言ってもやっぱ見せ物ではあるし。

的な?

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