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天使について

絶望した。
絶望すると迎えにくるのが死神だ。それは死を意味する。
絶望しているのだから何の迷いもなく、ついて行くのだろう。
そんな事を、ふと思う。
ふと思うから、私は真に絶望はしていないのだろう。
そもそも死神に誘われて死ぬのは嫌だ。
どうせ誘われるなら、または迎えに来てくれるなら
『フランダースの犬』のように天使がいい。
羽根の生えた神の使いの天使だ。可愛い天使。
それで思い出す。
数々の名作を世に出した漫画家の鳥山明先生が先日逝ってしまった。
先生が描いたキャラクターや世界観は、もはや漫画というよりもアートだった。
代表作のひとつ『Dr.スランプ』に登場するキャラクター・がっちゃん。
何でもかんでもガシガシ食べる。
その愛らしいキャラクターのフォルムを超えてガシガシ食べる。
羽根をパタパタさせて、くるくるパーマが愛らしい。
頭から昆虫のような触覚があるにせよ、ベビー服を着ているにせよ、
ビジュアルは、ほぼ天使である。
今回、鳥山明先生の訃報に際し、改めて偉業や作品について耳目に触れて驚いた。
「がっちゃん」は、ほぼではなく、まぎれもない天使だったのだ。
「がっちゃん」のキャラクター設定は以下である。
『Dr.スランプ』の「せんべえ博士」が作ったタイムマシーンで遠い過去に行った「アラレちゃん」が繭を拾って現代に戻り、孵化して現れたのが「がっちゃん」。
その繭を置いたのは神様であり、もし人類が常軌を逸する物を作ったら、それが発動する前に食べるようにとインプットされたのが「がっちゃん」なのだった。
深い話だ。そして、素晴らしいよ鳥山明先生!
今、『Dr.スランプ』を腰を据えて読みたい。
そうか、
冒頭で絶望した、とか書いておいて、私はちっとも絶望なんぞしてないじゃないか!と、改めて確信する。
でも、鳥山作品を読むという希望だけでは心もとないので、
さっき鉢に種を撒いた。
絶望ではなく、希望だらけにして、まだまだ生きてゆこうと思う。
何だか本日も、とっ散らかってしまったが、そう思うのである。
それでは、また。

種を撒いた鉢。何の種かは秘密

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