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醜いアヒルの人(短編小説)

子供の頃から母に『ガチャガチャとウルサイ』と怒られた。
父からは『何を考えているのか分からん奴だ』と疎まれた。

先生からは『自分の事が出来る様になってから人の世話をやけ』と注意され
友達からは『薄情な奴』と嫌われた。

職場の人からは『八方美人』と陰口をたたかれ無視された。

私はグズでのろまで落ち着きが無く、空気も読めないダメな人間だ。

 

しかし、、職場に一人、私を見ていると『元気がもらえる』と言ってくれる人がいた。
君は『思慮深くて知的だ』と囁いてくれた。

君は『親切で温かい』と褒めてくれ、『神秘的で素敵』と告白された。

私は五月蝿いのに元気が与えれて、何を考えているか分からないのに神秘さがあって、お節介なのに親切で温かいらしい。

本当の自分はどちらなんだろう、、

醜いの?素敵なの?薄情なの?優しいの?

でももう私は気にしない。私は私であれば良いのだ、、、

だから私はファーストレディーとして、政府専用機のタラップを堂々とのぼり出していた。


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