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口にしちゃいけない《夢》ってあるのかな?

小さなお子さんとレッスンでは《将来の夢》《なりたい職業》についてお話することがあります。これは、幼稚園小学校受験の面接の際に聞かれることが多い質問の一つです。子どもたちとお話していると、一人一人、様々な《将来の夢》を抱いていることが分かり、とっても楽しいです。例えば…。

魔法使い・アイドル・ポケモンショップの定員さん・ケーキ屋さん・パティシエ・保育園の先生・ペットショップの定員さん・八百屋さん・運転手さんなど、可愛らしい《夢》ばかりです。お店屋さんが人気ですね~。中には、『ママには内緒にしてね!』と言う子がいたり、『大きくなったらねぇ~。はし(橋)になりたい!』と言う子もいました・笑。

ところが、面接が近づく頃に同じ質問をしてみると…。これまで聞いたことがない《夢》《職業》を口にし始めるお子さんも多いです。もちろん、それらも親子の会話の中で引き出されものでしょうし、悪いことだとは思いません。例えば…。

パイロット(大人気です!)・学校の先生・お医者さん・看護師さん・薬剤師さん・研究者・自然食のレストランオーナー・警察官・バレリーナ・人の役に立つ仕事をしたい、などが挙がりました。

私は子どもたちが一生懸命に答えてくれる《夢》《職業》については、どれも『いいね~!』と思いますし、応援したいと思います。でも、時々、園や習い事などの社会生活を送る中で、あるいは成長過程で、子ども達は《いい夢》《悪い夢》の選別をし始めているのでは?と思うことがあります。《口にしてもいい夢》《口にしてはいけない夢》の概念がどこかの段階で芽生え始めるのかなぁ?と思ったりもします。

娘は幼稚園の卒園式で、《大きくなったら、プリンセスになりたいです》と小さな声で宣言しました。(卒園児全員が夢を宣言!)小学3年生頃からは、《この世界に本物のポケモンを作りたい》と言うようになりました。そして、現在は…。娘は夢を語りません。読書、絵を描くこと、写真を撮ること、動画を作ることが大好きな子ですから、見ていて何となく《進んでみたい道》があるような気がしています。*今、娘の絵が東京に飾られているそうです。とは言え、娘が興味を持つ職業は狭き門で、厳しい世界であることに薄々気付いているのでしょう。決して、口にすることはありません。このことには多少なりとも、家庭環境が影響していると思っています。夫は小さな会社を経営しており、安定する時ばかりでなく、浮き沈みのある仕事です。常に《自分で道を切り開く》必要があるので、その姿を目の当たりにしていると《好きなことを仕事にしよう》と簡単には思えないのでしょう。会社員ではないので、時間的には余裕があり、予定などの融通が利く半面、楽ばかりでないことは身近で見ているからこそ、分かるのだと思います。

お正月に高校1年生(4歳上)のいとこに再会して以来、娘の意識に少し変化が見られた気がします。『プロテニスプレーヤーになる!』とずっと言っていた姪は、今もテニスを続けていて大会などには出場していますが、新たな《夢》を見つけたようです。話の中で、姪は夢を叶えるためには《どんな大学・学部に進むのがいいか?》など、一生懸命に調べていることが分かりました。その姿にいい刺激を受けたのでしょう。最近は、少しずつ、『私にどんなことが出来るかなぁ?』と将来に向けた話題を口にするようになりました。

《何がしたいか?》ではなく、《何ができるか?》を考えるのが、娘らしいなぁと思います。私は夢や仕事は一つである必要はないと思っていますし、むしろ、一つで収まり切れない人生を歩んでほしいです。ただ、これまで生きてきた経験から、《適正》を考慮することはとても大事だと実感しているので、まずはこれからの生活の中で、ゆっくりと自分の《適正》を見つけてほしいものです。そこに《好き》が含まれていれば、尚良しですね。

ベタのモアを迎えた時、私はモアを娘のナイト・騎士に任命しました。はじめは『何それ~?』と笑っていた娘ですが、最近はふとした時に、『モアは私のナイトなんでしょ』とその設定を受け入れつつあります。恐ろしい母の洗脳術・笑。でも、守ってくれる(リアリティは別として)存在は心強いですし、安心感に繋がると思うのです。

『プリンセスになりたいです』と宣言をした娘。でも、そのずっと前から、私にとって娘は大事なプリンセスでした。

だから私は今日も『モア、プリンセスを守るんだよ~』と冗談交じりに言うのです。

『口にしちゃいけない夢なんて、ない!』この言葉は、いつか、娘が本当に進みたい道を見つけた時、迷った時のために取っておきます。そして、その時には、全力で応援できる母、いざという時には帰る場所を用意できる母でありたいです。とは言え、中原中也の母、フクさんのようになれる自信はありませんけどね…。何故、ここで中也さんかというと…。最近、娘とお友達が中也さんの詩集を読み始めたので、一緒に彼の生い立ちを調べてみたのです。《汚れちまった悲しみに》私にとって、詩人さんは永遠の憧れです。

脱線しましたが、皆さんの《夢》も是非、お聞かせいただけたら嬉しいです。勿論、口に出してもいい方の《夢》を・笑。ラッタッタッーー。

それでは、次回もどうぞお楽しみに。

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