26.描写 2写目

カメラ保存容器の蓋を開ける。

密閉されていた、湿気から守られていた世界から、PENTAXを取り出す。

母が使っていたフィルムカメラは、世代交代の狭間で発売されたもののようで、そんなに出回っていないらしい。

適度に重いボディ。

適度に重い標準レンズ。

そして、ずっしり重い単焦点レンズ。

通常単焦点は軽めだそうだが、いささか重い。

もともとついていた標準レンズの望遠のさせ方を知ったのは今日だ。

まさか、調整リングを引き出して望遠させるとは夢にも思わなかった。大興奮。謎が解けた気分。

しかし今は練習である。望遠させてしまえば、構図は変え放題。

単焦点レンズに切り替える。

単焦点レンズはワクワクする。

自分にしか切り取れない世界を見ている気分になるからだ。

もう一つ、本日初稼働させたのがストロボである。

中古で購入したのはいいものの、使う勇気が出ずに置いておいたものだ。

しかし、何事も撮らねば始まらないではないか。

意を決して装着、試し撮り。

…。2枚撮ってみたけど。

あれ、焚かさらない。

なぜだ?ファインダーには表示が出ているのに。

接触不良かしら。

エタノールと綿棒で、端子を綺麗にしてみる。

頼むぞ。再度装着。

バシン!キュィ――――――――ン…

おお、よかった。無事焚かさった。

これでいつ何時も、写真が撮れる。

フィルムを使うのをケチらず、まずは練習してみよう。

今日で色々調べられたこともあったし、大きな前進だ。

お金貯めなきゃな。


頂いたサポートは古本屋さんに還元します。