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インテル・マイアミに見た、敵陣での効果的な崩し

2023 MLS
インテル・マイアミ

 今回のテーマは、「敵陣での攻撃(ボール保持)時に、守備ブロックを形成した敵をどう崩すか」です。
 結論から言うと、敵守備ブロックを崩す1つの手段として、片一方のボールサイドに密集し、数敵優位な状況をつくることが効果的だと考えます。
 そこで、MLSのインテル・マイアミが、このような方法で敵の守備ブロックを突破しようと試みていたので紹介します。


インテル・マイアミの
敵陣での攻撃

① ベースとなる陣形や配置
 まず、インテル・マイアミは敵陣での攻撃時、下図のような配置となる。具体的に、後方のエリアではブスケツを含むCMF2枚とCB2枚でポジションを取りボールを保持する。前線では、サイド大外にジョルディ・アルバを含むSBが両サイドに立ち、中央のエリア(ライン間)には、メッシを含むアタッカー4枚が自由に流動的なポジションを取る。

ベースとなる配置(リーグカップ決勝戦にて)
ベースとなる配置(MLS vs ナッシュビル戦にて)


② プレーの展開
 次に、基本的なプレー展開としてマイアミは、「ショートパスを多用したポゼッションによる攻撃」を行う。(もちろん、縦への展開を急ぐダイレクトな攻撃も行う。)
 このとき、敵のプレッシャーラインを越える効果的な縦パスを出すのは、主にブスケツか後方に下りてきたメッシが多い。


③ プレーのパターン 
 そして、マイアミは、敵守備ブロックを崩す手段として、片一方のサイドに6~8枚が密集して、数敵優位な状況をつくるといったパターンを多用している。

ボールサイド密集による攻撃①
ボールサイド密集による攻撃②
ボールサイド密集による攻撃③


④ 具体的なシーン
 
ここで、ボールサイド密集による攻撃からアタッカーがフリーでシュートにまで持ち込んだシーンを以下、2つ紹介する。
 シーン1は、ブスケツの縦パスを起点として、メッシがシュートしポストを叩いたシーンである。シーン2は、メッシの縦パスを起点とし、ロバート・テイラー(左WG)がフリーで枠内のシュートを打ったシーンである。
 どちらも、ボールサイド密集によって敵のブロックを効果的に崩し、アタッカーがフリーで、かつ良い状態でシュートを打ったシーンである。

 【シーン1】

メッシがシュートしたシーン。ポストを叩きシュートは外れたが、大きなチャンスとなった。

 【シーン2】

ロバート・テイラー(左WG)がフリーで枠内のシュートを打ったシーン。

 

 今回は、インテル・マイアミの敵陣での攻撃時の、ボールサイド密集による攻撃について紹介しました。私が思うに、この方法は、敵の守備ブロックを崩す手段として最も効果的な方法の1つだと考えます。
 敵陣での攻撃時、特にポゼッション時の目標は、「アタッカーがフリーでシュート打てる状況を作り出す」ことだと思います。この観点からも、インテル・マイアミのサイド密集による攻撃は効果的な方法と言えます。
 ただ、この目標達成するための手段は他にもあり、同チームも他のパターンを用いた攻撃を行うシーンが多く見られました。
 つまり、攻撃のパターンは、選手の能力や特徴に依存するものであり、何が効果的なパターンかは、そのときの試合に定義されると考えます。

 

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