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画用紙

真っ白くて大きな画用紙が、目の前にある。

これ、キミのものだ。

クレヨンでも水彩でも油彩でもいい。どんな色を使っても、何を描いてもいいんだよ。

失敗したら、また、新しい画用紙に描き直せばいい。

そうやって失敗を重ねるうちに、ちょっとずつ、輪郭がハッキリしてくるはずだから。

キミが本当に描きたいものは、何なのか。

でもね、歳を重ねれば重ねるほど、キミの画用紙は少なくなってゆく。

そうなればなるほど、もう失敗できないってプレッシャーも大きくなる。

たった一度の失敗の持つ意味が、重くなる。

だからいまのうちに、たくさん失敗してほしいんだ。

失敗した数だけ、キミは強くなる。

どんなプレッシャーにも、くじけないキミになる。

やがて、キミにしか描くことのできない、素敵な絵にたどり着く。

#渡辺美里 #画用紙 #短編小説 #詩 #エッセイ #ポエム #400文字のショートストーリー

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