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春前_2024.3.3日/快晴

快晴のぽかぽかする日曜日の午前中。
用を足すために緑道を通っていたら、
たくさん犬をみかけた。
ちょこちょこ小さいのや、のんびり大きいのや、
お愛想ふりふり犬やら、喧嘩っ早いのやら、
走ってたりとか、カートに乗ってたりとかして、
そうだな10頭くらいとすれ違ったかな。
飼い主さんたちがそれぞれ機嫌よさそうだったし
「いい天気であったかいから、
いつもの時間じゃないけどちょっと犬の散歩」だったのかなぁ。
「雨後の筍」じゃないけど、
今日みたいに寒かった日が急に陽気になるときは、
「犬の散歩」が増えるものだと知った。
あ、まだあった、老若男女の「ランナー」も増えていたのだった。
でも、わかるなぁ、「なんかからだ動かしたく」なるその感じ。

陽気に誘われて、からだの奥からなにか突きあがってくる。
「ああー」と動きたくなる、微妙なうれしさよ。
もしかしたら、これって、
「もうすぐ春」のいましか、感じられないのかもしれないよ。
ソメイヨシノが咲きだす頃には、もうあったかいのに慣れてしまって、
世の中は一気に発散モードなのだ。

と、ここまで書いていて、整体師の片山洋次郎さんの
からだの話を思い出した。
人のからだは、天候に応じてゆるんだり締まったりしながら、
「そのときにちょうどいい具合」を求める。
「あたたかいから上着を脱ごう」とアタマで考えることではなく、
筋肉や神経や皮膚や骨が、
からだのパーツそれぞれが、自ら感知して動くということだ。
パーツたちが歯車のように協調して動くから、
どこか一ヶ所がうまく動かないと
「なんか調子悪いな」と感じられる。
3月のはじめのころのからだについてみてみると、
それまで閉じこもっていた「気」が、からだの表面へ流れはじめる、と。
頭から足先に向かって、
胸の中から腕に向かって、
エネルギーが流れ出し、
いらないものを外に出す準備をはじめる。
頭蓋骨も骨盤もどんどんゆるみ出す。
「もうすぐ春」は、排泄の時期なんですよね。
いい天気だから動きたいと思うんじゃない、
からだはとっくに動いてるんだ。
熱とか不要な物質とか、投げ出したくてうずうずしてる。
これは人だけではなく、
骨と肉と皮を持ついきものはたいてい同じだろう。

緑道にいる人も犬も、猫も、鳥も、
みんなそれぞれの「ああー」を過ごしてる感じが、よかった。

そういえば、昔の歌謡曲って「もうすぐ春」の唄が多いね。


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