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友人がおにぎり屋を始めた


2024年、2月5日。

小学校からの友人で幼なじみの茉子が、気仙沼でおにぎり屋さん「grandma」をオープンした。

これから毎週月曜に八日町にあるくるくる喫茶を間借りして、ランチ時間に販売する。今日がその初回の日だった。

地元の先輩から立派なお花が届き、いろんな人が来てくれて、良き初日を迎えていた。店主が大変そうなときに手を貸してくれるお客さんもたくさんいて、愛に溢れていた。

そして、どれも本当においしかった。

彼女が提供するおにぎりと副菜とお味噌汁は、動物性食品を使わずに「菜食」の考え方をもとにしていて、さらに使用するものは基本オーガニック。人も、ヒト以外の生き物も、地球も大事にしたい茉子の思いがこのおにぎりに現れている。

そして茉子のおにぎりには「心身ともに健康より大事なものはない」という哲学が込められていると、私は勝手に感じている。

お店を始める前、私の不健康極まりない食生活を見かねて彼女が菜食弁当を作ってくれていたことがある。

住んでいる場所が近いので、私が仕事に行く時間に近所のコンビニで待ち合わせして、茉子がつくってくれたお弁当を受け取る。私はありがとう、とワンコインを渡す。「今日もがんばってね」と言って送り出してくれる。私はそのお弁当を持って、元気をもらって仕事に行く。彼女は始業時間が遅めなので、わざわざ早起きしてお弁当を作ってくれていたのだ。

お昼に弁当を食べようとすると、渋い色でかなり立派な曲げわっぱのお弁当箱に、かわいらしい玄米と黒米のおにぎり、野菜炒め、漬物がきれいに収まっており、見た目から幸せな気持ちになった。

「玄米は最低50回!よく噛んでね!」と言われていたのを思い出し、ゆっくり、ゆっくり味わう。おいしい。野菜の味ってこんなにするのか、と思う。自分の家の畑でとれた野菜を使ってくれている。茉子の弁当を食べるようになってから、素材の味をしっかりと感じに行けるようになった。

茉子の弁当を食べると、自分を大事にして良いんだなぁ、と気付かされる。そういう安心が自分の身体を通っていく感じがする。

心身ともに健康に過ごせるように、一日がんばれるようにと、思ってくれたんだろうなと感じると、食べながらうるっときてしまう。

彼女が健康を願うのにはいろんな理由があるのだけれど、それはまたいつか書くかもしれないし、書かないかもしれない。

そんな茉子が始めたおにぎり屋さんだ。きっと愛されるお店になるし、オープンを手伝ってみて、すでにそうなっている気もしたし。たくさんの人にまこの思いが届くといいな、と思う。

気仙沼に、おにぎり屋さんができた。
しかも、私の大事な友だちがはじめた。
それが勝手にとても幸せで、満たされている。

また月曜日に買いに行くね。

サポートしてくれたら好きがこぼれおちます。