見出し画像

負担になる読書から、心を満たす読書へ

 自分が好きになった本を「自分の本」と呼ぶことにした。心が動いた言葉と出会い、自分の胸の中に何かが生まれた本ならば、それはもう私の本だ。
 おこがましい表現かもしれないが、勇気を出して、そう思ってみる。

 「この本を読みたい」と思う時、その中には「その本を好きな人になりたい」みたいな思いが、自分の中に渦巻いてしまうことがある。

 自分の価値を肯定できなくて、それを本に押し付けてしまう。その本を好きだと言えば、自分の価値が上がったように思える。自分が本当にその本を読みたいのではなく、幻想に憧れてるだけだ。

 すると本は、承認欲を満たすだけの小道具になってしまう。そして積読となり、本棚を見るたびに、読んでいない自分を責めてしまう。すると読書に対する意欲がなくなり、義務化してくる。本を読んだ数ばかり気にするけど、読む気も起きないから全然読めない。そんな悪循環に陥ってしまう。

 その本を好きな自分になりたいだけなのか、心から読みたい自分の本なのか。その見極めが難しいから、全く困ったものだ。自分の本かもしれないと思って買っても、読んでみるとなんか違う、となることもある。

 自分の本を見つけるために、いくつかルールを作ってみた。すると、案外冷静に、自分に合う本を選べるようになった。

本を買うときのルール

①衝動買いはしない。
②気になる本を見つけたら、読みたい本リストに一旦置いておく。忘れた頃に見返して、興味が薄れてきたらメモを削除する。
③本を買うのは月に一冊まで。
④書店で手に取って、実物を見てから選ぶ。


本を買うときに心がけたいこと

本を手に取った時の直感を大事にする。
 「ネットで見かけて気になってたけど、あんまり心が動かないな・・・」とか、「買うつもりはなかったけど、この本良さそう」とか、自分の感覚を信じる。

「この本を読んで、幸せな気持ちになれるか」
 その本を読んで、幸せな読書体験をしている自分を想像できるか。自分が成長するかどうかではなく、自分の心の栄養になりそうな本を選ぶ。

「一冊しか買えないなら、どれを選ぶ?」と自分に問いかける。
欲しい本リストや書店で出会った本の中から、今の自分が一番惹かれるものから買っていく。

本を読まない日があってもいい

 私は、「毎日本を読もうとすること」をやめることにした。もちろん、本を読むこと自体はやめない。ただ本を読めない日があってもいい。

 毎日本を読まなければ読書好きじゃない、なんてことは絶対にない。にも関わらず、私は本を読まない日があると、一日の最後に「今日は本を読んでいなかったな」と反省してしまうことがあった。

 習慣化しようと意気込んで、TODOリストに入れてしまえば、もう本は義務となり、楽しい読書で無くなってしまう。
 読まない日は、それだけ別のことを頑張って生きている。毎日本を読まなくても、私は十分偉い。

 楽しみながらのんびりとやっていくうちに、自然と本を開く回数も増えてくるものだ。意識しなくても、結果的に本の数は増える。


 私は自分に厳しくして、自分で自分の心をすり減らしていた。自分に優しくできないと、心に余裕がなくなって、他の人にも優しくできない。
 自分にもっと優しくしていい。甘やかしていい。そう自分に言い聞かせることで、私はようやく自分を取り戻せた気がする。

 自分のペースで、のんびりと読書をしていきたい。深く味わえるような一冊と、一文と、じっくりと向き合っていきたい。

この記事が参加している募集

最近の学び