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時流に適応できない印刷会社に未来はない!印刷会社の未来設計図とは? ~セミナー特選講演録~

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セミナーの講演内容と当日使用したテキストを無料でダウンロードいただけます。平均10,000文字を超えるボリュームの講演文字起こしとノウハウの詰まったテキストをご覧ください。

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◆開催日時:2021年4月14日

◆講師:船井総合研究所 宮本 賢一

◆セミナー詳細:【webセミナー】印刷会社のためのデジタルシフト経営

時流適応×原理原則

そして、話は変わりますが。船井総研には、船井流経営法があります。これはどこの業界にも当てはまる経営の大原則でして、時代の変化が激しい大変革時代の今だからこそ改めて皆さんと共有させていただき、業界にこの大原則を当てはめたときに今何をするべきかという点をお伝えしていけたらと思っています。

時流適応と原理原則の言葉の意味的には、何となく掴みやすい言葉かと思っています。時流適応といいますのは、その名の通りとにかく今の時代の流れに沿って、対応をしていきましょう、適応をしていきましょうということです。そして、原理原則というのは、お客様を大切にする姿勢や企業としてどこを目指すべきなのかというような部分です。したがって、時流適応は変わり続けなければならないこと、原理原則は変わらずに守り続けなければいけないことです。

例えば、お客様を大切にする姿勢などは、どの時代にも普遍的な言葉だと思います。では、皆さんのクライアント様にとって、紙のチラシで集客をするのかそれともWebで集客をするのかを比較した際に、もちろん紙のチラシで集客するという選択肢もありだと思いますが、ではWeb集客0でやっていけるかといいますと、そこは時流適応していかないといけないと思います。その比率はもちろんあると思いますが、紙だけで全てをまかなうWebだけで全てをまかなうというように0か100かという話ではなく、しっかり時流適応していかなければならないということです。したがって、船井総研ではこの六つの原則を重要視していますのでテキストにて確認していただければと思います。

原理原則

続きまして、業界の話に入っていきたいと思います。原理原則のところでいきますと、われわれのビジネスはお客様や社会に価値を提供したことによって対価を得ているわけです。では、果たして印刷業界は社会や企業に対してどのような価値を提供していると皆様は考えられていますかということです。個別、固有のお客様には価値提供されているとは思いますが、企業として社会にどのような価値を提供しているのかを印刷業界は改めて考えるべきだと私は思っています。そして、この質問に即答できない経営者の方は、次の世代に経営を譲るべきだと私は感じています。この話は、実はどの業界の採用のシーンでも今起きています。

例えば、今までは採用の現場で、「どのような仕事をしているのですか」「お給料はいくらですか」など、ある程度の想定内の質問を求職者からされていましたが、今は時代が大きく変化していまして「あなたの会社は社会にどんな価値を提供されていますか」「将来どのようなビジョンを持たれていますか」「10年後どのような会社になっていたいですか」など、求職者から逆質問みたいなかたちで受けることが案外多いです。優秀な人ほどそのような質問をしてきます。

つまり自分の将来や達成したいビジョンに対して、この会社はどのようなサポートをしてくれるのだろう、どのように共感し合えるのだろうという部分の意識が今の若者たちは非常に強いです。それに対して経営者の方が言葉を濁したり、意味不明な答えをしてしまったり、もしくはややマイナスな発言をしてしまう会社は、残念ながら人は取れません。中小企業に重要なことは人なので、いかに優秀な方を採用できるかということは、会社としてのビジョンやミッション、経営者の思いなどに反映されます。

私は、印刷業界の社会に対する役割は、特定のお客様だけではなくて、お客様全体の販促課題を解決する役割だと信じています。それが、今できていなくてもいいと思いますが、そこをしっかり目指す方向に向かっているかを重要にしてほしい点です。

販促課題の解決を目指すことを意識していながらも、実際に今行っていることといえば、例えば、「去年も印刷したあの冊子、今年も頼むわ。あとで、見積もりメールで送っといて。ネット印刷と値段合わせてね」と言われたときに「分かりました、ありがとうございます」と言ってしまっている印刷会社は正直徐々に仕事がなくなってしまうと思います。赤字で書いてある言葉の通りですが、脱請負の体質を作っていかないといけないと考えます。例えば、「去年作成した冊子ですが、コロナで世が変わってしまった今年は、それなりにバージョンを変えて打ち出したほうが成果出ると思いますよ」ということが言えないといけないと思います。そうでないと、来年再来年は間違いなくその仕事が、ネット印刷に取られてしまうわけです。そうならないために、脱請負をしていかないといけないということです。

そのために原理原則のところで言いますと、ビジョンを明確に定める必要があると私は思っていて、私は三つのことをお手伝いしている会社に掲げてもらうようにしています。

一つ目は、地域No,1の印刷会社になりましょうということです。これは、例えば、関東地方でNo,1、都道府県でNo,1などという大きな話でなくてもいいです。つまり自分の定めた場所でNo,1になりましょうということです。船井総研には、力相応一番主義という言葉がありまして、これは分不相応な話ではなくて、自分たちが1番になれる場所で1番になりましょうという話です。例えば、とある市のパンフレット印刷で1番になろう、自社の拠点エリアから半径5km以内の印刷物で1番になろうという目標でも構わないです。これからは、やはり1番商品を多く持っている会社が業績を上げられると思いますので、大きな分類で1番をいきなり目指すことは難しいと思いますので、そのために自分が1番になれる場所を何個も用意するということが必要です。それは印刷物だけではなくても構わないですが、印刷物で言いますと、パンフレット印刷で1番になる、チラシ印刷で1番になる、ポスター印刷で1番になる、カタログ印刷で1番になるというように一つ一つ1番を作っていきます。他にも、Web商材であるYouTubeで1番になる、LINE広告で1番になる、リスティング広告で1番になるというように1番商品をたくさん作った会社が業績を伸ばすし、最終的に総合販促で1番になるというビジョンです。地域No,1の印刷会社という言葉に一言でまとめていますが、自分たちの1番商品を作って、結果として地域No,1になっていきましょうということです。

二つ目が、クライアントの成果に貢献する印刷会社になりましょうということです。われわれの業界は、効果検証に向き合ってこなかったことが1番の失敗だと思っています。もちろんこだわってこられた方もいらっしゃるかもしれませんが、業界としてそこまでに至ってなかったということが、業界の市場規模を落としてしまっている1番の要因だと思っています。これからは、費用対効果という言葉がさらに求められる時代になっていきます。もちろん今まで求められていましたが、結局は費用対効果などの数値分析がしやすいWebに流れてしまっていますのでそれが答えだと思います。しかし、これからはさらにクライアントの成果に向き合っていき貢献していかないといけないということです。

ですので、例えば、今年まで作っていたパンフレットやチラシをWebに切り替えることにしたということで、「これからはWebの時代ですよね」というお客様の発言に対して、「いや、そんなことはないです。もちろん全予算の約3割はWebに使うといいですが、このチラシはこのような人たちに届いていて、これほどの人たちに見られていて売上に貢献しているのです。だから、印刷物はやらないといけない」や「チラシというのは、仮にスマホで広告を出すとしても、確かに届いた数は分かります。でも実際に、そのチラシが食卓の机の上に置かれている時間や手に取られてた回数など、そのようなところはスマホの小さい画面で見るよりも価値があります。なので、チラシの効果を最大限発揮するためにも、Webを一部やることはありですが、チラシを止めるという選択肢は結果として売上を落とすことになってしまいます」という話ができないといけないと思います。でも、多くの会社はそれができていません。そのため、これからはそこに向き合っていかないといけないと思っています。

最後3番目が、社員が業界に誇りを持って、仕事にこだわりを持てる印刷会社にしていかないといけないということです。私が前職の会社に転職で入っていますが、1番初めの仕事がスーパーマーケットの桃のポスターでした。青果売り場の入口に入ってすぐのところに飾るポスターです。その仕事は10万円だったのを今でも覚えています。当時の上司にもいろいろ相談しながら作りまして、「果物売り場の桃のポスターの写真を入れるのかどうか」や「桃は何色で表現したらいいのか」など、スーパーマーケットの桃の売上を上げるためにはどうすればいいのか考えに考え抜いて1枚のポスターを作りました。今思えばそれほど大した仕事ではなかったかと思いますが、当時は考え抜いて自分の仕事に誇りを持って世に出しました。そのポスターが店頭に飾られると、他の複数の店舗を見て回って、どのような売り場になっているのかな、お客様はどのような行動を経て桃を買ってくれているのだろうというのを確認して、当時、家族も売り場へ連れていきまして、言葉が分かりだした頃の私自身の小さな子供に対して「このポスターは俺が作ったもので、このポスターを見て、お客さんが商品を手にとってくれるんだ」と話をしました。当時の僕はその仕事に非常に誇りを持って自分がやってきたことに自信を持って世に送り出して、それをお客様にも見てほしい、家族に見てほしいと思って仕事をしていたわけです。しかし、今そのような仕事をしている印刷会社の営業マンは果たしてどれぐらいいるのかと考えながら営業会議などに参加したときに、残念ながら「お客さんが、もう印刷物ではなくWebだと言っており、残念ながらそれを覆せなくて仕事がなくなっちゃいました」や「今は、印刷物は厳しいですよね」などの言葉が簡単に出てきます。そうしますと、残念ながらこの先良い方向には向かわないと思いますので、改めて仕事の向き合い方に意識を持ってほしいと思います。

そのため・・・

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