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国内の農産物の「種」は9割が海外産と知ったら、食の安全保障問題は俄然シリアスになるという感想を述べる日記

(定型文)こんにちは。名古屋を中心にウェブ制作、マーケティング、商品開発、企画、釣り事業マーケターなどなんやかんややっているUtility-arts.comの大林と申します。記事の最後にリンクなどまとめておりますので良かったらそちらもご覧ください。
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物価高に加えて冬は野菜が高騰する傾向なので家庭菜園をやることにした

プランターで小松菜やオクラなどを育てた経験はある。多分できるだろう。

そんな事を考えながらホームセンターに種を買い求めに行く。所狭しと並ぶ野菜の種。九条ネギなんかいくらあってもいいし、スーパーで買って残った株とは別に種から育ててみるか?とパッケージの裏面を確認する。

原産地:南アフリカ

マジかよ。お前らあんな遠いところに旅して往復してんのか。こちとら東南アジアから出たこともないのに。九条ネギが。アフリカ。九条感どこいった。そういえば他の種もイタリア産が多い。イタリアはまだわかる。九条ネギが南アフリカ。一体どういうことだろうと思って調べた。インターネットってすごい。

そもそも野菜の種は90%が海外で作られているし、国内の農家はまず種の採取をしていない

のだそうだ。
知らなかった。コストの問題と、均一の品種を育てるために受粉環境が安定していなければならないことから種をとるには広大な農地が必要なこと、日本は多湿で種の採取保管に適していないこと、原産地に近い環境の方が良い種が取れること、いくつかの異なる気候や地域に分散して生産することがリスクヘッジになること、これらの理由で昭和40年代辺りから我々日本人が食べている野菜はほとんどが海外で生産された種を輸入し、育てられてきたのだという。あと、生育が早いかわりに種がとれないF1種がかなり多いのだとか。そういえばニジマスなんかもF1種あったな、と思い出す。経済的にも、リスク管理的にも、育成の難易度的にも、これがきわめて合理的なのだという。

つまり、国内で生産されている野菜の9割が海外のプラントで作られた種を船で運んでこなければ育てられないということになる。米は自給率高いので例外だが、大抵の野菜の種は海外から運べなければ育てられないわけで、種も貴重な戦略資源と考えるべきではないか、と思った。

確かに遺伝子多様性や食文化の観点から行くと国内で種を循環させつつ固有品種を守っていくなどの取り組みの必要性も理解できるが、大規模農業的なシステムがなければこの国の人間全員を食べさせるほどの野菜が供給できないことも理解している。無農薬栽培のように、一種の贅沢品、嗜好品的なポジションは一般農業に取って代わるのは難しいと考えており、綺麗事を言うつもりはない。自分たちや仲間内で消費するくらいならなんとかなるとは思うが…。

ここで述べるのは、「種が戦争・政治等の外部要因で手に入らなくなるリスク」について考えたことがある人がどれくらいいるのか、という話だ。

シーレーン封鎖が1年続けば我々が手に入れられる野菜は壊滅的に暴騰するリスクを抱えている?

単純に想像すると、台湾海峡でも封鎖されてしまったら我々の食べている野菜が価格暴騰して手に入らなくなる。そもそも種の9割が海外産ということを知っている人はどれくらいいるのだろうか。私も40歳の秋を迎えるまで知らなかった。小麦や石油の通商破壊リスクと同じくらい恐ろしい話である。

御存知の通り、かつて日本が英米を相手に戦争に突入した理由の一つは石油の禁輸による苦境の打破である。日本は石油の輸入が止まったら経済が止まってしまう。石油禁輸で一か八かでヤケクソになるくらい追い込まれるのも、そして戦後は原子力発電所を建てまくるのも、日本がエネルギー自給自足の困難な国だからだ。貿易が死ぬとこんなに沢山の人を食わせられない。これはそのまま食料自給率をテーマにした話題でも同様に小麦、大豆などを挙げて語られるのだが、不勉強ながら「種」まで考えが至らなかった。シーレーン封鎖されても空輸できるかもしれないがコストは跳ね上がるんじゃないのか。

「いざとなったらストックから栽培した野菜から種を採取したらいい」と言うかもしれないが、F1種だったらそもそも種がとれない。そして品種の維持が難しい。実は多くのプロ農家にもノウハウがないらしい。いずれにしてもコストになるのだ。

食の安全保障問題を考えるとき、「たね」の流通経路の維持確保にもっと注目しても良いのではないか、と思ったのが今日の発見。

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