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種を蒔く


僕は何も持たなかった


君にあげる花一輪すら


だから

幸せの種に水を与えた


来る日もくる日も

大切に育てていたはずのそれは


生命であることを

忘れているかのように


芽吹くことを拒んでいた



鈍りそうになる感性を全力で引き戻し

土を掘り起こす

それは カラカラに乾いていた



僕は忘れていた


拒んでいたのは僕

雨だれや

鳥や虫たち

けざやかに命を育んでくれていた


僕はただ 悲しみを手放し

幸せになりたいと願うだけでよかった


僕は じゅうぶんに持っていたのだから





(547日)

#エッセイ #コント部 #ライフスタイル #僕なりの幸福論 #毎日note #自由詩 #眠れない夜に #種を蒔く


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