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欲望という名のなんちゃら

【2014年4月8日】娘は3歳8か月

娘が4月から「みどり組」から「もも組」になった。今、セカイで一番好きな色がピンクらしいので、娘にとっては最高の時を過ごしているかもしれない。来年以降の話になるが「もも組」の次は「あお組」。そして、翌年には年長の「きみどり組」にて保育園が終了。その次は?もう小学生か…。勝手に先まで行ってしまい、勝手に時の早さを受け止め切れずにいます。いやいや、早い。

アンパンマン命だった娘の趣味趣向にも変化が訪れている。うちでは「プリキュア」とか魔法少女が活躍するアニメを見せていないのだが、どうやら「プリキュア」の類をすでに好きになっている。この前、「アンパンマンなんか…」と軽くディスっていたので、もう気持ちは完全にアンパンマンから離れ、魔法少女に奪われていることを確信した。よくよく考えれば、そういった魔法少女が活躍するアニメの画って、ピンク色が占める割合が高い。あれって、やっぱり、そういうことなんだな。その世代ど真ん中であり、格好のターゲット、それがうちの娘で間違いない。

親になって気付いたことの一つに、子供を取り囲む巨大マーケットの存在だ。薄々は分かっていたけども、狡猾な大人たちは、子供の夢を叶えるフリをして、しっかり商売をしている。厄介なのは、大人は欲望をコントロールできるが、子供は欲望をコントロールできない。窘められて、諦めることはあっても、まずは「欲しい!」と連呼する。そして、情熱がものすごい。我が家では、ガチャガチャがまさにそれで、あれがデパート等に並んでいると大変だ。ガチャガチャの横を通過して見つけると、やりたがる。自分が欲しかったものが出ないと文句を言う。そして、俺が怒る。この繰り返し。おかげで、ガチャガチャには詳しくなった。

娘を見ていると、いかに欲望に正直に生きているかが分かる。腹立たしいこともあるが、どこかで羨ましくもある。自分は本当に手に入れたいものを、今、そこまで躍起になって手に入れようとしているのか。ガチャガチャで自分が欲しかったものが出なくて号泣できるのか。ムリだ。運とは、人生とはそんなものだと、分かったフリをして、諦めるだろう。お行儀良く生きていてもしょうがない。欲しいものは手に入れたいと思った、2014年の春。

<文・フルタジュン


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