【ブランド化のためのあれこれ ~臼杵研修その(3)~】

昼食後、一同は「臼杵市土づくりセンター」へ。
ここでは、漬物の土台となる、「よい農業とは?」を学びにきました。

雨が激しくなってきました。
近所の中学生も工場見学に来られてたので、一緒に案内していただきます。
高並谷の面々は農業にも詳しいので、開口一番、
「堆肥のにおいがせんなあ」と驚いてました。

秘密は原材料と加工にあります。
草木80%と豚糞20%の配合。
そして徹底的に発酵させているそう。
そのため、ほとんど「土そのもの」のような香りになっているのです。

工場のなかは整然としてクリーンで、
それでいて、ショベルカーが躍動したり、堆肥から蒸気があがったり
ダイナミックな面も見せます。

この工場は臼杵の有機農業ブランド「ほんまもん農産物」の土台の部分です。
通常、ブランド化にあたっては、認知促進のためのPRが重視されがちですが、
臼杵では「有機農業をやりたい」という農家さんをささえるために、
「土づくり」という農業の根本を「インフラ」として整備しています。

このブランド化への姿勢が徹底しています。
現在、年間1600トンもの堆肥を製造し、
またそれが年間1600トンすべてさばけているそう。
「今後、製造量は増やしていく予定ですか」と質問すると、
「いえ、もう工場の稼働はいっぱいいっぱいで...」と担当者のかた。

操業度100%!!
しかし、工場そのものの収支は赤字なのだそう。
「1トン5千円で臼杵の農業者さんには販売していて、
黒字化のためには1トンあたり2万円はとらないといけません。
でもそうなると農業者さんは買えないし、有機農業の促進に繋がりません。
なので、赤字は市の『農業促進予算』として計上しています」
とのこと。

なるほど。部分部分ではなく、全体を、将来を考えること。
臼杵の市レベルでのブランド化。その全体構想を学ぶことができました。

臼杵の外の事業者さんでも堆肥は購入できるそうで、
高並谷で総計300キロ近くの堆肥をバスの荷台に詰め込みました。
それぞれの畑での成果も楽しみですね。

続く

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