昔は無かったのか。タイピングによる日本語文字入力について 梅棹忠夫著「知的生産の技術」の感想

こんにちは、平岡まおです。

デザイン関係のお仕事をされているカイシトモヤさんのnote記事、
点をうつこと」で紹介されていて知った本、

梅棹忠夫 『知的生産の技術』 (岩波書店, 1969)

を読みました。

色々と知見に溢れた本なのですが、個人的に面白いな、と感じた点について、内容を一部紹介させていただきます。

本の奥付けによると、著者の梅棹(うめさお)さんは1920年生まれで、2010年にお亡くなりになっています。
この本が書かれたのは 1969年 です。

本の中で、梅棹さんは文章を書く「道具」についていろいろと試された経験を記されています。

梅棹さんが、当時手紙を書くために使っていた「道具」が、タイプライター。

当時、パソコンはおろか、ワープロも無かったんですね。

ワープロってご存じでしょうか?

文字を入力、出力するためだけの電子機器です。

wikipedia によると、初めて日本語入力機能が搭載されたワープロが発売されたのは、
1978年、東芝からで、価格はなんと 630万円!
ワードプロセッサ - Wikipedia

ちなみにタイプライターというのは、パソコンでいうキーボードのキーを叩くと、そのキーに対応する、金属でできたハンコみたいなやつが紙にぶつかって印字してくれる機械です。
タイプライター - Wikipedia

ワープロがなかった時代に梅棹さんがどうやってタイプライターで日本語の文章を書いていたかというと、

全部、ローマ字、または、ひらがなで書く。

つまり、

Zen-bu ro-maji mata wa hiragana de kaku.

または、

ぜんぶ ろーまじ または ひらがな で かく。

こんな感じになります。わかち書きというそうです。

読みにくいんじゃないかと思うんですが、手で書くより早いしキレイだから良い、とのことのようです。
(カーボン紙を用いて複写もできたそうです。自分が相手に送った手紙の内容を手元に残せるのは、確かに便利ですね。)

現代は、超高速で情報が生産、処理、伝達される、情報化社会。
その波がどのように日本に押し寄せたのか、
そして、時代の流れにおいて行かれないために、先人たちがどのような工夫をしたのか、
この本を読んで垣間見ることができました。

今、もし日本語文字入力が普及していなかったら、どんな世の中になっていたのでしょうか。

考えてみると面白いな、と思いました。

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