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休職して見ている夢の話

休職してから、ほぼ毎晩夢をみている……と、前回書いたが、休職して25日となった今も続いている。
途中、あまりに夢がひどくて眠るのが怖くなり、相談したら医者から就寝時の薬を追加してくれたが、強いものは出てないからか、やっぱり覚醒前に夢を見ている。

眠るのが怖くなったきっかけは、休職して10日ほどたった頃にみた夢だ。
夢の中で私は会社に向かうバスのようなケーブルカーのようなモノに乗っていて、そのなかで同じ会社の人(そういう設定というだけで現実では見覚え無し)が二人、私と同じ40代位の男性と、50代半ばの男性がいた。
乗り物から降り、会社へは徒歩で向かうのだけど、同世代の男性はさっさと行ってしまい視界から消えてしまう。次いで私が歩いて行こうとすると、道が急勾配に変化した上、もう一人の50代男性は腰が悪いらしく、私にすがりつこうとするのだ。

私はすがりつかれないよう必死で坂を登るけど、どんどん体が重くなり、勾配も険しくなり、とうとう這うようにして登るはめになってなかなか進めない。
男に追い付かれるのがとにかく怖く、途中から夢だとわかって覚めようするが、なかなか覚めない。
やっと目が覚めた時は、昼前になっていた。

その時期飲んでいたのは軽い入眠剤だけだったから、起きられなかったのは薬のせいではないだろう。
実は夢を見た前日、現実に会社で大きなトラブルがあり、どうしても私にしかわからない事があって会社から問い合わせがあり、10分程対応したのだ。

休職中なのでそれ以上対応せずにすんでホッとした反面、関われないことに少し悔しさもある。
迷惑かけている、という気持ちも無いではない。休職する羽目になったのは会社のせいだから、会社や部長に対しては開き直っているが、替わりに対応している同僚には申し訳ない気持ちは大きい。彼らも、私が休職する時点で、いっぱいいっぱいだったから。

恐らく、先に進んでいった40代男性は同僚たち、縋り付く男性は会社、坂を上ろうともがく私は、まだ仕事をしなきゃと思っていたのだろう。
医者は「無責任でいいんですよ」といった。とにかく睡眠第一で、ということで薬が追加になった。

医者からの帰り道、その足で、馴染みの喫茶店に行った。今時ではないクラシックな喫茶店で、もう何年も通っているが、マスターと会話することはほとんどない(でも覚えられれていることはわかる)。
カウンターに座り、飲んだコーヒーの香りと旨味で泣きたくなった。思えば、このところ仕事中にのむコーヒーは眠気覚ましのためでしかなく、味を楽しんだことが久しくなかった。
コーヒーを楽しんで、ほっとしていいんだと、思った。

その日から夢が少しずつ変化していった。
会社の入り口で、クラブの入り口にいる用心棒のようなでかい黒人男性がベージュのスーツで「総務」だと名乗り、出社しようという私に話しかける。話が止まらないので結局私は出社をあきらめて帰ってしまう。
別の日の夢はダイレクトで、課のミーティングに出ようとしたら、同僚が席を立って家まで帰された。
そのうち人すら出てこなくなり、仕事をしようとすると真っ白に光る玉が出てきて仕事ができない、という夢になった。

この夢を最後に、5日ほど仕事に関わる夢を見なくなった……と思ったら、今日は社長に「この会社おかしい! なんでうちの課ばっかり! 」と怒鳴る夢を見た。
私の心は、回復に向けていい意味で頑張っている。

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