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知覧特攻平和会館が教えてくれた想い

昨年の8月、鹿児島の知覧特攻平和会館に行きました。

この平和会館を知ったのは、5年前の就職活動中でした。
ある企業の説明会に行ったときに、その企業の社長が最後に

現状に満足できていない人、
毎日をなんとなく生きている人、
周りの人に感謝できずにいる人はぜひ行ってほしい

と知覧博物館について話されていたのがきっかけでした。

その頃の私は就職活動がうまく行っておらず、
どこでもいい、何でもいい、とにかくどこかに就職しなきゃ
という一心で就職活動を行なっており、
自分の生きる道を見失っていました。
それもあってか知覧に行きたい、と強く思ったことを覚えています。

あれから4年が経った2022年の夏。
無事就職先が決まり入社して3年目の夏。
ふと、知覧博物館のことを思い出しました。
そして、行かなくては、と猛烈に思ったことを今でも覚えています。

私は現在、東京で働いているのですが、実家は熊本にあるので
帰省のスケジュールを立て、
その際に知覧に行くスケジュールも組み込みました。

母と姉と妹の4人で車で行きました。
私は運転免許を持ってはいましたが、
東京では全く運転せずペーパーだったので
高速道路は母と姉が運転し、それ以外は私が運転をしました。
知覧への道中は旅行気分で楽しかったです。

知覧博物館周辺に着くと、ご飯屋さんやお土産屋さんが豊富でした。
活気付いているようにも感じました。
私が行った日は終戦記念日の前日ということもあってか賑わっていました。

知覧に着いたのはお昼頃で、
ご飯を先に食べるか博物館に行ってからにするか迷ったのですが
博物館に行った後は食欲が減るのではないかと思い
先に食べることにしました。
おそらくこの判断は正解だったと思います。

お昼は知覧茶屋というお店で食べました。
このお店は実在していた鳥濱トメさんという方が
知覧の特攻基地から飛び立つ兵士に振る舞っていたと言われる料理を
受け継いだメニューが提供されているお店です。

このお店も大変賑わっていて楽しく食事をしました。
私はラーメンと知覧の名物「黒豚」のとんかつのセットをいただきました。
欲張ったと思います…笑
どれも本当に美味しかったです。

お昼も食べ終え、本命である博物館に行くために
知覧茶屋の駐車場から目の前にある博物館の駐車場まで移動しました。
車を降りて博物館の敷地内に入りました。
おそらく実寸大の特攻機の模型が数台あり、緑が多く
ささやかな風は吹いていたのですがそれでも大変暑い日でした。
空は真っ青で天気の良い日でした。

博物館内にはお手紙、特攻隊の方々の写真、服など
本当に多くの展示物が並んでいました。
1時間ぐらいのつもりで行ったのですが、全部見ようとすると
全く足りませんでした。
海から引き上げたという当時の実際の特攻機も展示されていました。

お手紙や写真には年齢も書かれていたのですが、
多くの方が私より断然若い方ばかりで、
それでいて達筆で私では書けないような内容のお手紙で
自分にはこんな手紙は書けない…
と衝撃で、彼らに敬意を向けずにはいられませんでした。

どのお手紙も家族や想い人を思いやる内容ばかりで
どうして彼らが死ににいかなければならなかったのだろうと
悔しく思いました。

「必死」「必勝」
今では軽く口にする言葉も、当時の言葉とは重みが違い、
全く違う言葉のように感じました。
ああ、彼らが今の日本で生きていたらもっと気楽に人生を楽しめたのに
ただただ明るい未来を見ていて欲しかった
どうしようもない願望を抱いてしまいました。

どうか一瞬でも幸せを感じられるひと時が彼らに訪れていたことを信じたい
今の平和な日本を見て安心して欲しい
と思いを馳せずにいられませんでした。

平和会館で感じたことを無駄にしないために

私には何の力もありません。
彼らの生きた証を受け継ぐ力もなければ、
この世界を平和へと導く力もありません。

ただ、彼らに敬意を持つだけでも意味はあるのではないでしょうか。
毎日を、周りの人を大切にするだけでも意味があるのではないでしょうか。
そんなの自己満足だ、そう思う気持ちもあります。
大切に生きることができない日もある、誰かを大切にできない日もある、
自信を持てないと思う気持ちもあります。

それでも今の私にできる最善のことはこれだと信じたい。
自己満足だと思いながら、今を、誰かを大切にできない日も過ごしながら
昔の方にも誇れる自分になれるよう生きていきたい。

知覧に行った2ヶ月後に
私はただひたすらに幸せを願いたくなってしまう方に出逢いました。
知覧に行ったからその方に出会えたとは言いませんが、
相手の幸せを願いたくなってしまうのは
博物館で読んだお手紙、
博物館で感じた特攻隊の方々の想いの影響があると思っています。

私も誰かを大切に思いたい。
日々を大切に生きたい。
知覧特攻平和会館へ行ったことは私にとって意味のあるものでした。
これからも、知覧特攻平和会館で感じた想いを胸に生きていきたいです。




もちろんそう思えない日は今でもあります。
そんな自分も自分なのだと受け止めて生きるようにしています。

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