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自分の’’こころ’’を守るために「自己分析とストレスコーピング」自分の生きやすい環境とは?



現在、あなたにとって一番のストレスとは何でしょうか。

「仕事の業務が重くて残業している」

「家庭と仕事のバランスがうまくいかない」

「受験うまくいくかな…」

「好きな人に振られた」

など、個人で抱える悩みは決して一つに留まらないと思います。

私は現在、就活というストレスを抱えて生きています。
就活なんて、大したことじゃないだろう。と思われるかもしれませんが、私にとっては大変大きな悩みです。

また、同じような状況下にあってストレスが生じる人もいれば生じない人ももちろんいるでしょう。そして、ストレスが生じる場合でもその程度には個人差があります。

このような違いは、いったい何によって生じているのでしょうか。

今回は、この「ストレス」をテーマに、その心理的仕組みやうまく付き合っていくための手法をご紹介しようと思います。



ストレスの仕組み



ストレスという用語は、もともと物理学の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。

ストレスを風船にたとえてみると、

風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、
ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。

医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。

ストレスコーピングとは?



ストレスコーピングとは、ストレスに対してうまく対処しようと意図的に行うセルフケアの1つです。
コーピング(coping)には、英語で「対処する・処理する」という意味があります。

ストレスコーピングを行うことでストレスを発散できたり、イライラしにくくなったりすることが期待できます。ストレスに対してうまく向き合えるようになるため、今や職場でのストレス対策として注目されています。

ストレスの構成要素

ストレスの構成要素としては、ストレッサー・認知・ストレス反応の3つが挙げられ、それぞれ以下のような意味や特徴があります。


心理的ストレスモデルの概要 (小杉ら,2001を一部改変)

①ストレッサー:ストレス反応を起こす外部環境からの刺激。以下の4つに分類される。

・物理的ストレッサー(寒冷、騒音等)
・化学的ストレッサー(酸素、薬物等)
・生物的ストレッサー(炎症、感染等)
・心理的社会的ストレッサー(人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任、将来に対する不安等)

②認知:ものの捉え方。ストレッサーに対し、どのように捉えるかによってストレス状況が変わる

③ストレス反応:ストレスを感じた時の心や体の反応。大きなストレスを感じると心身が耐えきれず、さまざまな症状を引き起こす

ストレスコーピングを実施する際は、自分が何にストレスを感じるかを知ること、そして自分がストレスを感じたときにどのような対処をするのかを考えることが大切です。

ストレスコーピングの5つの種類



ストレスコーピングは、アプローチ法によって5つにわけられます。ストレッサーの性質やストレスを感じるシチュエーションなどによって適切な対処法は異なってきます。

1.情動焦点型

情動焦点型は、ストレスに対して自分の考え方や捉え方を変えるアプローチ法です。

たとえば、上司から厳しく注意されたとしてもマイナスに捉えるのではなく、いったん冷静になって、

「次に活かそう」

と自分の考え方を切り替える方法です。

(…もし私がその立場だったら、猫ミームみたいになるんだろうな)

節電はしましょう。笑

ネガティブに思い込んでしまう癖のある人は、客観的に考えられる人に相談することで、自分では思いつかなかった考え方に気づける場合もあります。

2.認知的再評価型

認知的再評価型は、ストレスの原因に対し、見方を変えて前向きに捉える「ポジティブシンキング」でストレスを軽減させる情動焦点型の1つです。

たとえば、厳しい目標にストレスを感じるのではなく、

「企業から自分は期待されている」
「挑戦は自分を成長させるチャンス」

とポジティブに捉えたりすることでストレスを軽減します。

3.問題焦点型

問題焦点型は、問題となるストレッサーそのものを変化させたり、取り除いたりして解決を図る方法で、ストレスの元をなくしたい場合に有効です。問題焦点型の解決方法には、2パターンあります。

①接近型コーピング
接近型コーピングとは、職場の人間関係がうまくいっていない場合に、周りの人や人事に相談し、改善を目指して問題を解決します。

②回避型コーピング
回避型コーピングとは、問題から一度離れ、自分の趣味を楽しむ時間を持つといった方法で、なるべく思い出さないようにすることです。

これらは、周りの人間の思考や環境を変えて取り除くのが特徴です。接近型コーピングでうまく対処できない場合、疲弊してしまわないよう一時的に回避型コーピングを用いることも効果的です。

しかし、回避することは一時的に不安を避けるという点で効果的なこと。
長期的な視点でみると、不安を克服することを難しくします。回避という行動は嫌子出現阻止の強化随伴性で強化されるため、いやだと感じる対象を避け続けてしまうのです。(よって、うつ状態にある人にはエクスポージャー法が有効とされています。これは以下でご紹介します。)

4.社会的支援探索型

社会的支援探索型は、1人で悩みを抱えて解決を目指すのではなく、周囲の人間に助けを求める方法です。

たとえば、仕事の棚卸しを行い、何かあったときに依頼や相談ができる環境を作ったり、トラブルが起きた際の対処法に関するマニュアルを作成したりなど、セーフティーネットを整え、ストレスの軽減を目指します。

もし、近くに相談できる人がいない場合は、自治体や相談センターなどに相談すると良いでしょう。

5.ストレス解消型(気晴らし型)

気晴らし型とも呼ばれるストレス解消型は、ストレスを感じてしまった後に行う対処法です。

おいしい料理を食べたり、カラオケで思いっきり歌ったり、運動したり、趣味や買い物を楽しんだり…

など、いろいろな方法が考えられます。気分転換を図り、気分をリセットすることによって、ストレス軽減につながります。

エクスポージャー療法とは?



エクスポージャー療法とは行動療法の技法で、曝露療法ともいわれています。

その名の通り、あえて不安や恐怖を感じる場面や対象に曝露させることによって、結果的に不安や恐怖を減少させることを目的としたカウンセリングの技法の一つです。

曝露というと、さらされるという意味で使われるので、少し過激な言葉にも聴こえるかもしれませんが、無理矢理怖いことをさせるわけではなく、心理的な安全性を伴ってセッションを行っていきます。

エクスポージャー療法は、行動療法の先駆者といわれる精神科医ウォルピが考案した系統的脱感作法が元になっています。ウォルピは軍医として戦争神経症患者と向き合い、その経験から系統的脱感作法を編み出したといわれており、その成り立ちからも恐怖やストレス、PTSDに効果がある治療法であるということがうかがえます。

【エクスポージャー療法の対象となる精神疾患や精神状態】

不眠症→社会不安障害、パニック障害、対人恐怖などが含まれる。不安症は、心理的な不安だけでなく、めまいや吐き気などの身体的な症状も伴うことが多く、そのいった症状にもエクスポージャー療法は効果的

強迫性障害→「こうしなければならない」「鍵が閉まっていないのではないか」「これは汚いのではないか」など、過剰な強迫観念をもち、ろええによって特定の行動を繰り返してしまう状態

PTSD(心的外傷後ストレス障害)→重傷を負うなどの事故や虐待、性的暴力、いじめなどの外傷体験がきっかけとなり、フラッシュバックや回避行動、過覚醒(不眠、警戒心)などが症状としてあらわれている状態

1.系統的脱感作法

系統的脱感作法は徐々に不安や恐怖が小さいものから曝露していくというものです。

原理としては、「不安」と「リラックス」は共に感じることができないという仕組みを利用しています。人間にとって、ある瞬間、怖いと思いながらも同時に安らかな気持ちでいるということは不可能です。

ここでは、ひとつの例として対人恐怖の方のエクスポージャー療法の例を出したいと思います。まず、対人恐怖症といっても、どのような状況にどれだけの恐怖を感じているかはひとそれぞれなので、そこをクライエントに聴いていきます。その結果、以下のような表ができあがったとします。

100点:営業先で話をする
80点:上司のいる場面で企画を発表をする
70点:会議で意見を求められたときに発言をする
30点:会社で朝あいさつをする
50点:同じ部署の人と事務的な会話をする
10点:仲のいい人と1対1で話す
3点:外出

系統的脱感作法では得点の低いものから実施し、不安を感じたところでリラクゼーションを行い、

「本来なら不安を感じる場面でリラックスしている」

という状況をつくりだします。

ここでいうリラクゼーションとは、呼吸法であったり筋弛緩法(肩に力をいれてストンと落とす方法)自律訓練法であることが多いです。これを繰り返すなかで、不安得点の高い場面でも強い不安を感じずにいられるようになることを目指していきます。

2.フラッティング

不安、恐怖を感じる場面に直面してもらうという点は系統的脱感作法と共通していますが、はじめから最大の恐怖から向き合うという点で異なっています。

先ほどの対人恐怖症の人の場合、

「3点:外出する」ところから始める方法が系統的脱感作法
「100点:営業先で話をする」ところから始める方法がフラッティング

といえます。

フラッティングの場合、失敗体験が生じやすいというデメリットがありますが、系統的脱感作法で徐々に怖い場面が待っていると考える方が怖いと思う人にとってはフラッティングの方が向いている場合もあります。

エクスポージャー療法は、ストレスによって精神疾患を抱えてしまった人に対して行われています。ストレスによって、不眠や脅迫観念、フラッシュバックが生じている人は精神科・心療内科などの医療機関や各種相談機関を尋ねてみることをお勧めします。

以下に、参考として厚生労働省が提示する相談機関を記載します。

【仕事に関する相談】
労働条件相談「ほっとライン」(Working Hotline)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
職場のトラブル相談ダイヤル|全国社会保険労務士会連合会 (shakaihokenroumushi.jp)
人事院こころの健康相談室(予約制)の連絡先|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)

【生活に関する相談】
暮らしの困りごと、悩みを聞いてほしい | 一般社団法人 社会的包摂サポートセンター (since2011.net)
相談窓口等 │ 厚生労働大臣指定法人・一般社団法人 いのち支える自殺対策推進センター (jscp.or.jp)
法テラス 公式ホームページ (houterasu.or.jp)
SNS相談|自殺対策|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

【こころの健康に関する相談】
こころの健康相談統一ダイヤル|自殺対策|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
全国精神保健福祉センター一覧│全国精神保健福祉センター長会 (zmhwc.jp)

【その他の相談窓口】
全国の相談窓口はこちら|ひきこもりVOICE STATION (mhlw.go.jp)
性別の違和や同性愛に関わる相談 | 一般社団法人 社会的包摂サポートセンター (since2011.net)
発達障害者支援センター・一覧 | 国立障害者リハビリテーションセンター (rehab.go.jp)

まとめ


今を逃げ出したい人 (私)



今回は、ストレスについてご紹介しました。

私たちは日常生活の中でストレスを抱えず生きていくことは難しいと感じます。

ストレスとうまく付き合っていくためにも、ストレスの原因や自分に合ったストレス解消法を知ることができれば、少しだけ気持ちが楽になるのではないでしょうか。

ドラえもんの言葉に、「悩んでいる暇に一つでもやりなよ」というものがあるので、私も何かに悩んだらまずは行動してみようと思います。
(ドラえもんへの圧倒的信頼感)

皆さんの生活が、少しでも心安らぐものになることを願っています。




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