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得意を寄せ集めてひとつの形にする

各分野の得意をなパートを寄せ集めてひとつの仕事として組み上げると完成度高く、スピードも増す、という話

弊社のような小さい会社においては、一人当たりが負担する仕事のパートがどうしても増えがちだ。まわりの似たような規模の会社においても同様のようで、経営者がプレイヤーやトップ営業マンなんてことは多い。

私に関しては、マルチプレイヤーどころか何の仕事なら人並みにできるのだろうかと、悩んだ時期があったほど、個人としては使い物にならない人材と自負している。

自負しているからこそ今のようなかたちになったのだと思うが、自分ができない領域の仕事をできる人に頼む、ということの繰り返しでなんとかここまで事業が成り立ってきた。

過去に何度もトライはしてきたのだが、どの仕事においてもお金をもらえるレベルにはならないのである。

今の商売の駆け出し時代も作業員として日々技術の習得に精を出していたが、センスのある人間と比べては早々に習得を諦めてしまっていたのである。特定の技術の国家資格こそ取得したが、それはあくまでも試験当日の運がよかったまでの話で、現場で使える技術を習得できたかというと、まったくなのである。

そんな何をやらしても平均点以下の仕上がりにもかかわらず、経営者としてバトンを受け取ってしまったのだが、それがかえって功を奏したかたちになるとは思ってもみなかったのだ。

どういうことかというと、経営者のタイプにもよると思うが、私の場合、苦手な仕事を各分野の得意な人間にお任せしてひとつの仕事として整えるのである。ではお前は何をしているのかと問われれば、思いついたことを伝えて「お願いします」としているだけなのだ。

あとは時々「どう?」と進捗をうかがったり、自分の理想から脱線しないように監視しているだけ。

苦手な仕事を自分でなんとかしようと思い実行するのが一番効率が悪い。その分野のスキルは多少上がるかもしれないが、得意な人間にお任せしてしまった方が早いし、完成度も高い。であるならば各分野のエキスパートを寄せ集めて自分の形にして欲しい仕事を伝える方が効率がいいのだ。

私個人の考えだが、経営者は物事を前に進めることがひとつの役割りだと思う。それもスピード感をもって確実に進めるということが重要なゆえ、中途半端なスキルで経営者がしゃしゃり出るより、お任せして自身はその他のお願い事を考えることに集中した方が多くの仕事を同時に実行できる。

元々は私が何もできないことから端を発したやり方だが、餅は餅屋ということでエキスパートな人材にその場をお任せすることは言い訳ではなく効率がいいのだ。

そして私が意識していることのひとつが、仕事をお任せした人材がポテンシャルを発揮しやすい環境を整えてやるということ。

一見社長自らパシリのような雑用をこなしているようにうつるが、いかに仕事に集中してもらい成果をだしやすい環境を提供するかということは情けない仕事のように見えて結構重要なのである。

つまるところ、できる人に頭を下げまくって雑用をこなし利益を得ているというのが私の主な仕事になるが、それが役割として許される経営者という立場がいがいにも適任なのかもしれない。

何もできないを突き詰めた結果、何もできないということが仕事になった次第だ。まわりのエキスパートはそんな私の甘えを受け入れて「しょうがねぇな」と日々の仕事に打ち込んでくれている。

適材適所、自身の役割は何かを心得よう。一番成果の出る領域のみに集中する




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