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患者側として、医療のことを ~ヤンデル先生の本を読んで~

1、はじめに

田中泰延さんが、「読みたいことを、書けばいい。」の中でも書いているけど、どんなことを書いたかよりも、だれが書いたかが重要なわけで、私のような地方の一病人が何か書いたところで、影響力は皆無に等しいのは重々承知しています。

けれども、長い入院生活を経て感じたこと、現在通院治療をしながらその期間のことを振り返りつつ、改めて病気のことや医療のことを、今の環境でできる範囲で学び始めて、同じような血液疾患やがん患者の方に知ってほしいことがたくさんできました。

恥ずかしながら、私は入院中に「医師になりたい」と思ったことが何回かあります。私がかかった白血病という病気は、治療法はどんどん改善され、治療実績は年々よくなっているけれども、原因は不明なままであると聞かされたことが大きいです。

私の体質、遺伝的要素、生活環境や食生活など、私自身を調べることで、原因究明の研究の役に立てないかと考えました。

しかし、ひとりの患者を調べて、良かったことや効果があったことがあったからと言って、それが広く他の患者さんに適用できるエビデンスになるわけではなく、1事例にしか過ぎない。
ならば医師になって治療・研究する立場に行って、ほかの患者さんの良例も集めて検証をできないものかとか考えたりしました。

ただ、現実的には難しい。この年齢から医師を目指す人も世の中にはいるわけだし、学びたい気持ちももちろんあるけれども、私は家業である自分の仕事も好きだし、父から引き継がねばと考えています。

だから、医師や医療従事者を目指すのではない、別の方法で役に立つ方法を探っています。
その一つは、入院中に看護師さんから提案・相談されたことで、

「病気経験者として、入院中に行って、治療に役立ったことを伝える・患者側の不安に寄り添えるアドバイザー的な一般人」(長っ!!)
すいません、うまく名付けられませんでした。。。。

これなら、家業を頑張りつつ医療のことも学び、同じような病気で苦しむ人たちの助けができるかもしれないと思い始めました。
noteに記事を書き始めたのも、そんな思いからです。

2、今やっていること

闘病記的な治療記録は、入院中に看護師さんから相談された私の役割、アドバイザー的な一般人としての予備資料的に書き始めました。書くためのネタは、自分の血液検査の記録と日記、病院側から支給されたパンフレットや資料などいろいろあります。
これを読めば、治療の大まかな流れや日常が垣間見えて、これから治療する人のためのイメージづくりに役立つようになればと思っています。

同時進行で移植後日記という、移植後の現在のことも書いています。こちらは現在進行形で悩まされる体のことや、医師の友人から聞いた話や勉強のために読んだ本のこと、自分がやってみてよかったことや、試していることなど。予後を良好にする、生活の質QOLを上げるために試行錯誤していることを中心に、日記的に書いています。

今回は患者さんや家族、患者予備軍の健康な人も含めて、たくさんの人に読んでほしい本が見つかったので、その本を紹介しつつ、私の感想兼患者側の意見的なものも書いてみようと思います。

3、ヤンデル先生との出会い

いや、直接会ったわけではないんです(汗)。
数日前、たまたまツイッターのタイムラインに、ヤンデル先生本人のツイートが流れてきたのがきっかけで興味が沸き、本を手にしました。失礼ながらその日までフォローしてなくて、たまたま偶然目にして、それから少しTwitterでやり取りしたくらいです。

そして勝手に先生の本を推薦します(笑)。
推薦する本は、このツイートで知った「病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと」です。
ちなみにヤンデルっていう名前は、ご自分でお付けになった広報用ネームだそうで、本名は市原真さんとおっしゃいます。巻末に由来が書いてありますが、おお!なるほどと思いました。
第一刷の発行日は、2019年3月31日なので、私が本退院した少し後くらいでした。

読んでもらえば、私が言いたいことはほとんど書いてあります。なので、以下私の文章読まずに、ヤンデル先生の著書読むから良いよって判断でもよいです。

ただ、私は患者側の視点で感じていた疑問点とかがクリアになったし、自分が病院で受けてきたことは、どうやらヤンデル先生が本の中で提案するやり方・考え方に近かったので、実体験として書いておくと、患者さんやご家族には、より伝わるんじゃないかと思ったので、書こうと思います。(以下、本の内容に触れる部分も出てくるかもしれません。)

4、読んだ感想と私が聞いてほしいこと

まず、とても読みやすいです。いきなり難しい話が始まるではなく、この本が作られていく流れとともに、医師として伝えたいんだろうなという、エッセンスが各章に少しずつ散りばめられていて、読み進めていくと、もっと医療のこと学びたいなって思わされます。

途中で出てくる、医師のステレオタイプに悩まされてる下りとか、ププッと笑ってしまいました。私は医師の友人が何人かいるので、彼らに当てはめてみると、確かになーって思ってしまいまして、さらに思い出し笑いしてしまいます。
楽しい文章があると元気になります。元気になれる、心の栄養になる文章は病人にとってはうれしいなと思います。

それからまじめな話です。

私は経験者として、まずは標準治療を受けるという選択を第一にしてほしいと思っています。
私の場合、主治医がとてもうまくコミュニケーションをとってくれる方だったので、標準治療やエビデンスなど丁寧に教えてもらえました。
おそらく多くの患者さんは、このエビデンスって言葉に悩まされると思います。

私は、たまたま仕事でもエビデンスという言葉に振り回されていたので、大体のことはわかっていたので混乱は少なかったのですが、改めて広辞苑を引いてみると、エビデンスとは、
証拠。特に、治療法の効果などについての根拠。
と記載されています。
このあたりのことは、もっとわかりやすく本に書いてあります。

それから、もし大きな病気で入院するようなことがあったら、関わってくれる医療従事者の方全員を味方につけて、チーム戦を展開しましょう。多分よほどのハズレに当たらなければ、基本的には関わってくれる医療スタッフの方たちは初めから味方です。
しかもその道のプロの方たちばかりなので、知識はめちゃくちゃ豊富。

入院中から私をサポートしてくれている方たちは、主治医の先生をはじめとした血液内科のすべての先生、たくさんの看護師さん、栄養士さん、薬剤師さん、理学療法士さん、がんサポートセンターの看護師さんと沢山います。

何か気になることがあれば、まずは一番長い時間サポートしてくれる看護師さんに話をします。ちょっとしたことは、たいてい看護師さんが解決してくれます。
看護師さんが解決できない内容の場合は、誰に聞けば良いか教えてくれ、ほとんどの場合その場で連絡を取ってくれ、手が空いていれば駆けつけてくれます。
スポーツじゃないですけど、所属するチームに恵まれること、これ大事です。
このチームという考え方も本に書いてあります。

さらに、似非医療や刺激的な文言に流されないことです。
インターネットで簡単にいろんなことを検索できるようになったので、病気のことも沢山インターネット上に出ていますし、結構本も出てたりしますよね。
〇〇をやれば治る!!とか、〇〇を食べてガンが消えた!!とかは、単に偶然でしかないと思っています。

私の予想としては、たまたまその人の自己治癒力が奇跡的に病気をやっつけただけだと思っていて、疑い深い私は基本的に信用していません。
その〇〇が効いて病気が消えたというのは、調べてみるとエビデンスがとれていなかったり、ごく少数の事例を統計学的な数値のからくりで、見た目良く見せていたりしました。
例えば事例の母数が極端に少なかったり。
あとは小さい文字で、すべての人に効果があるわけではありません。と一応書いてあるけれども、ちゃんと見ないと見落としがちとか。

で、そういうものに限って、本屋さんの売れ筋コーナーに平積みされてたりするし、身内や知人にもそういう情報に振り回されて、私に勧めてくる人は実際にいました。
食事は大事だと思います。ただ極端な食べ方ではなく、ちゃんと調べて、栄養士さんと話をして、冷静に判断すればわかることですが、いろんな栄養素を、まんべんなくとることが結局大事なんですよね。
フォースのように、重要なのはバランスです。

この辺のことも、ヤンデル先生がきちんと医師としての専門的な視点で書いてくれています。

5、最後にまとめ

ヤンデル先生のことは、名前だけはどこかで見ていたんですが、文章を読むというところまで行ってなかったので、もっと早く読んでいればよかったと思っています。これからほかの著作も読もうと思ってます。(noteやブログも書かれていますがまだ読めてないです。すみません。)
先生自身の本だけでなく、先生が紹介している本もできたら読んでみたいと思っているので、そのうちここに書くかもしれません。

今までで一番長い文章になってしまいました。。。。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!私のつたない文章では、とっても読みにくかったと思いますが、これからも少しずつ発信していきたいですので、たまに覗いてもらえたら幸いです。

お読みいただきありがとうございます。サポートもスキをぽちっとしていただくだけでも、どちらも療養生活での励みになります。よろしくお願いします!