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りこれくと

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empty closet

2010. Dec. 01



世界
次は
同じ地学に
頼れずに
二つと無い水溜りは
赤い一冊の土踏まずの密度
時間と光沢が組み合わさり
秘密と想像とは緩やかな忘却
羨ましくずっと思っていた頃の
全速の軽さに
ふっくらと見合ってゆく
冷たい冷たい輪郭のお話し
 
 
 
 
 

やまぶき

 
 
「omake」 2011.8.Dec.



そっか
ゆめにでてくる
みたことあるなぁ
おはなしのつづきは
あるのはずのない
みでぃあむてむぽで
うらがわ
しらないふりなのか
そういうの
うんざりするんだ
さーびすには
ふくまれていません
わたしのおなかは
しあわせなにおいでは
みたされません
 
おしえてあげたこと
わすれてもかまわないよ
きみにはもっと
ふさわしいひとがいる
 

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 「狩」 2006. 19. Jan.
 

 
言おうか
言うまいか
でももう昔事
こんな私の視界を埋めてく記憶だけでもずっと遊べるんだよ
ちかくて遠いあの光追うのは伝う風波あまねく世界に君がいたから
涙したから
明け渡せる何か何も無くて架空の木々見つめひとつ唱えていたよ
ねえ
一歩進めるように
ねえ
ただ一歩ひらきますように
終わりなら待つことなら痛みも眠りも等しくなれる
信じるなら逆らうな

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スティル アウェイ

 
 
 
「・スティル アウェイ・」 2006. 4. Feb.



逃げるだけ 逃げるだけ
 
夜に残された 太陽が
 
逃げるだけ 逃げるだけ
 
空を紡ぐ 星の光から
 
逃げるだけ 逃げるだけ
 
何の力も持たない私は
 
にげるだけ にげるだけ
 
とりとめない言葉の術さえ
 
にげるだけ にげるだけ
 
休むための場所は拭って
 
にげるだけ
 
じかんと同じ速さが私をのせて

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イースタンイースト

「イースタンイースト」 2010.31.March



ああどうか
大き過ぎないように感情を
滔々と
馳せます
 
貴方より高く飛びたくはありません
 
貴方より遠くに飛びたくはありません
 
ただ伝えないよりは
言葉で
捧げます
 
一切は貴方に組み込まれ
一切が記憶に還されます
 
 
私の償いは、
貴方の生であり死であり
私の生です
 
栄枯盛衰を
諸としてさえ
蟠らない覚悟が要ります

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フリュイ

 「フリュイ」 2008.2.July.
 


おとうさんとおかあさんのあいだにうまれた
回路を持たない思考能力

結んだ口
真一文字

なかなかに温まらないあし

何が起きても不思議だと思わないことにしただけなのです

二か月という選択

空と町はなぜ
黄桃色に融合するの

あの時は見たくて

完成に惹かれた頃

約束を始めたくて
笑うことをした

欲しがることにした

許し難くあること

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037

「 Leo 」 2008. May.


雲が産まれるところ

今日も引き裂かれている

送信した内容を込めて
思いがけず

共鳴を培う僕ら

散りばめられているその瞬き

教えられたこと

廻らないよと

願いを唱えた静寂に
降参したはず

水溶性の錨の重力

沈まない微睡み

流れてみる
軽々と

それも理想と焦燥の片翼

誰だって触れられる

今日はただ
持ち歩かないと決めたんだ

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かりものきょうそう

「かりものきょうそう」 2014.30.Mar.

今日の日も、
嵐も蟠り、
一番に戦ぐ真面目さが
いつになく私だった

ともすれば、
水中に靡く大群と
嚔の後の幻覚が
真っ赤に真っ赤に拡がっていく

君もただ出来上がっていく

息が冷たく長くなっていく

この宙を頂こう
少しだけゆうがになれるように

()
きょうのひも、
あらしもわだかまり、
いちばんにそよぐまじめさが
いつになくわたしだった

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on'n on

「on'n on」2015.31.Jul.

わかるんだ
わかっちゃうんだよね、

でもわからないふり
どこまでうまくできるか

おしえなさすぎて
ゆきづまるけつまつも

あからさますぎて
みはなされるよていの
りようも

とうぜんといえば
かんぜんかんぺき

しっこうゆうよ
みたしてあげよう
はやめてあげよう
ふりきってみせよう

ごかいはそんがい
けっぺきのてっそく
あやかっているの
ぜったい

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11100

 「nako」 2015. Jul.

私を見えているかな

私は、
読めているかな

覚まされて
呼吸を学ぼうとして
現実に過去に
決めてしまった、けど
焦がれていないポーズ
お腹の底から弖を伸ばす

冬の符合を口実に
偶然がラプソディー九つの未来

一つ二つあと一つ
月、明けるまで数時間

私を象っていてくれた

そう遣って、一人がもう一人
見ているだけだ

思い込みの構造が
自分から嗾けた自

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Fading

2015. Jul.

さらさらの雨は止み
あと少しで日付が変わる

爛れるだけのインスピレーションが針を進ませる
浮かび上がらせる
無謀な言葉を借りて
計画は
来るべき十月の空に
往復のお賽銭

完成しない朝を繰り返している

通り過ぎる音
寄り添う影
何も見出せずに今日も燻っていた

昨日、溶かした言い訳は
択一の絶望を肥えさせる

昨日、探した面影は
黄金色の衝動を黙らせる

乾きそうで、乾

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引かない

     「wgnmtks(仮)」 2015. Jul.

まつからには
あともいわない

絶望は消えた
焦がれなくなった
教えないように
伝えようとした
透明は何色にも見えた

恐怖を誘おうとしたわけではなく
同情を買おうとしたわけではなく
無関心を装うつもりもなかった

ただここにあって
それを讃えたかった
気持ちはあって
正しくなくて
代えたくなくても

見えない早さで
丁度良かった
明日が

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ファード

「ファード」 2015.13.Aug.

夜更かしして後悔してない、
後悔しないほどに手遅れだ。
有り難く学んだ成果の在り来たりに懐いた甲斐有って。

言ってたこと、教えてたこと、数えてたこと、
また言ってる。
僅かも残ってないから。
あの図は、あの手紙は、あの天体は、
思っていたような本物じゃあなかったよ。

美味しかった記憶だけを、
冷蔵庫に仕舞っても一週間と保たない。
期待より乾かない。

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Kremlin

「Kremlin」 2012.12.Sep.

問題なのは、
円らな羊に。
想い馳せる距離。カフェインの量について。

早熟したハロウィンの、渇いたオレンジ。

深夜の棚卸し。

ヘーゼルナッツ。

君とは関係が無かった直ちに全てが、用意周到に繋がって。
ああ、甘そうな褐色に猜疑心は煽られる。

きっと今なら食べられる。呑み込める。

ワインドは予定調和に、
タイアップしてブルーに、グリーンに、

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