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清濁併せ呑む 魅惑的で繊細なウニ

攻撃的に見せかけて、とってもデリケート。漢字はゴツい。(海胆)

ウニほどミステリアスな食べ物はない。

昨今のウニブーム、なぜ人はこんなにウニが好きなのだろう。

東北には、アワビの殻に詰めて焼いた焼きウニ、牛乳ビンに詰めた生(塩)うにがあって。そんな高級品とも思わず、好奇心で向き合った子供の頃。当然その美味しさをわからなかった。

でも、ウニを食べて顔をほころばせる大人たちを見ると、いずれはこの美味しさをわかるのかな、大人だけの秘密の味を知りたい、早く大人になりたいと思った。

ウニは100年、200年生きるという。深海でじっと何を感じて生きているのだろう。

北三陸のウニはほとんどがキタムラサキウニ。昆布をたくさん食べているので、昆布の旨みの味がする。

北限の海女さんやウニ牧場の養殖漁師さんが、夏でも厳しくひゃっこい海から取って来てくれるおかげで今日もウニを味わえるありがたさ。

他の産地では形が崩れるから、ミョウバンを使って箱に綺麗に盛られているけど、そんなことしたら、とても繊細で儚い北三陸のウニの味は負けてしまうのだ。だから、瓶詰めの塩ウニ以外の生うには短い夏の間しか食べられない。

深海の星?太陽☀️?

宮沢賢治『春と修羅』の序文にも海胆が登場する。

悠久の時を超えてやってきた、こんなに魅惑的なウニ、今年もありがたくいただこう。

*追記

ウニの生きる長い年月を考えていたら、くるりの歌を思い出した。

〜太陽は言った。今日までの日々は永遠じゃなくて、そう、一瞬だったさ。〜

ーくるり『太陽のブルース』

ウニって孤高の存在だなぁ。

☆ウニの開け方

①ウニの口(真ん中に星型がぽこっとついてる方)の周りにハサミを入れ、殻の上部にぐるっと一周切り込みを入れる。

②パカって開けると、膜やらふんやらが詰まっているので、ピンセットなどで取り除き、塩水で洗う。

③ティースプーンなどでウニを取り出す。(ザルの上に乗せて、塩水でさっと洗って、残った膜やトゲなどを取り除く。) 

殻にワカメなどの付け合わせを詰め、大葉を敷いて美味しそうに盛り付ける!!

ウニレシピはまた今度、、、。




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