【365日の魚介レシピ】出汁の深みをしみじみと〜潮煮〜
連日暑いですね。こんな時はさっぱり、あっさりしたものが恋しくなります。魚介料理だったら、お刺身、アジたたき、イワシのなめろう、カツオたたきや手ごね寿司、貝やタコやイカの酢の物、小アジの南蛮漬けかヌタ、エスカベッシュ、シーフードマリネ、小エビのカクテル、タコのジェノベーゼ、セビーチェなんかがたべたい。
SNSを見ていると皆さんとにかく美味しそうなご飯やおつまみを作っていらっしゃって、すごい!!プロ顔負けというか、学ぶ事が多いですし、献立のヒントをいただいています。
あ、夏メニューの楽しみといえばウニやイクラの乗った冷製パスタもいいですよねぇ。
私が昔働いていた店で冷製のボンゴレビアンコを出してたことがあって。煮詰めて冷たく冷やしたアサリのジューと、ポロネギ、シブレット、万能ネギ、白ネギのそれぞれ違う調理法で仕立てたネギと、フルーツトマトを合わせたものでした。和と洋の間の美味しいとこどりみたいな冷製パスタに、何度も家でも作ってみたものでした。(一人暮らしの冷蔵庫ではちゃんと冷えませんでしたが。)
さて、前にアクアパッツァのレシピをご紹介しましたが、今回は魚の骨から引き出した出汁を活かした和食の『潮煮』です。
真鯛カブトの潮煮(潮汁)
=材料=
・真鯛カブト(頭とカマ) 2切れ(1尾分)
・ネギの青い部分 1本分
・生姜 1片
・昆布 1枚
・酒 100cc
・塩 大さじ2〜3
・薄口醤油 大さじ1
・みりん 大さじ1
・水 2000cc
=作り方=
①真鯛カブトは頭から半分に割って、エラを取り除きます。血などを出来るだけ洗い流します。水気を拭き取り、大さじ1の塩を全体に振ります。
↑エラがアゴの両端(口の下と頭の骨の下)にあるので、ここを切るとベリっと取れます。
② ①を15分くらいおいて、水分が滲んできたら、沸騰したお湯に入れて、10秒くらいゆがいたら、水を張ったボウルに落とします。
③流水でウロコを洗い流します。親指やスプーンでウロコをこそげるように取り除きます。
④大鍋にお湯2000ccを沸かし、③の真鯛、昆布、酒、塩大さじ1を入れます。アクをとり、ネギの青いところ、生姜(スライス)をいれ、中火から弱火くらいでコトコト15分くらい煮込みます。
⑤薄口醤油、みりん、塩で味を整えます。
店では、さらにしじみやアサリで旨味増しをしたり、春先の生わかめで磯の香りを足したりもします。
マース煮
沖縄のマース(塩)煮は泡盛と塩で味付けし、島豆腐やあーさ(あおさのり)などが入ります。ハナフエダイ(ビタロー)、リュウキュウヒメジ(オジサン)などを丸ごと煮付けます。シンプルだからこそ、素材そのままの深い味がじーんと五臓六腑に染み渡ります。
潮煮の出汁アレンジ
潮煮は良い出汁が出るので、残った煮汁も濾して取っておきましょう。
例えば、出汁茶漬けの出汁として活用出来ます。
水と酒を少々足して、切り身の魚(真鯛など)を煮ます。(耐熱皿にいれ、レンジで蒸しても。)
スライスして水にさらしたネギや生姜などの香味野菜を上から盛り、カンカンに熱したごま油を上からジュツとかけると清蒸魚風に。
真鯛カブトのように魚のアラから出る出汁は本当に深みがあってしみじみ美味しいので、魚屋さんでアラを見つけたら、是非。ウロコを取るまでの下準備は丁寧に。臭みが消えます。
濾した煮汁はラーメンやそうめんのスープにもぴったり。濃かったら鰹出汁などで適宜伸ばしてくださいね。
鯛出汁の濃厚スープの美味しい『麺魚』さんのラーメン♡
おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。