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しなやかに真っ直ぐに〜筍の話〜

少し面倒くさいですが、煮ておくと色々使えて便利な、筍の下処理と料理レシピご紹介します。普段のごはん作りに慣れてきたら、ちょっとこだわって、旬の食材を使い、丁寧に作って、味わってみませんか?

市場やスーパーに国産のたけのこが出回り始めました。他にも山菜や春キャベツ、新玉ねぎなど春野菜が元気いっぱいな季節になりましたね。春野菜や山菜は色が優しくて、香りが良くて、甘みやほろ苦さが面白い味のものばかり。冬の間縮こまっていた心も身体も、ふっとほどけたり、ハッと目が覚めるような気がします。

竹にも花言葉があるようで、海外ではしなやかな強さ、真っ直ぐさ、みたいな意味があるようです。

竹を割ったような性格って言葉もありますよね。さっぱりと、凛々しく、しなやかに、真っ直ぐに、そんな、たくましくさらっとした人に憧れます。

筍の下処理

①皮についた泥を洗い落とし、穂先を3〜5センチくらい斜めに切り落とし、芯に向かって少し切り込みを入れます。根元の硬いところも厚めに切り落とし、十字に切り込みを入れます。(火を通りやすくするためと、アクを抜けやすくするため)

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②鍋に入れ、かぶるくらいに水を張ります。上から表面を覆うように米ぬかを入れ、鷹の爪も一本いれます。火をつけ、沸騰したら弱火にして、40分から1時間茹で、煮汁につけたまま冷まします。できればそのまま一晩漬けておき、アク抜きをします。

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③アクが抜けたら、米糠を洗い流し、穂先の切り込みのところから指を入れて皮を剥きます。茶色いゴワゴワした皮の下の黄色い薄い部分は姫皮といって、刻んで食べられます。
④皮を剥いた筍は食べやすく切り、鰹出汁10:薄口醤油1:みりん1を合わせた出汁で煮ておくと美味しい下味がつきます。冷蔵庫で5日くらいもちます。

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⑤※時短※重曹でアク抜きする場合…まず1Lにつき、重曹小さじ1と覚えておくといいでしょう。筍の量によってかぶるくらいの水の量を計り、重曹もそれに合わせて入れます。あとは沸騰したら弱火にして火が通るまで40分くらい煮て、冷めるまで置いておきます。1時間くらいおいて冷めたら、流水につけて重曹を含んだ水を流します。

ちょっとえぐみやほろ苦さが残るくらいの方が旬のたけのこらしくて美味しいと思います。初めてとれたての筍を食べた時は、とうもろこしのような香ばしく甘い香りと風味にびっくり、感激しました。市販の水煮とは香りも味も食感も格段に違う季節のご馳走を是非、手間ひまかけて味わってみてください!

焼きたけのこ

下処理した筍を焼き網やグリルで醤油を塗ってこんがり焼きます。叩いた木の芽を散らします。


若竹煮

鰹出汁8:白だし1:でたけのこを煮含め、盛る直前ににワカメを入れます。

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筍の土佐煮

コロコロのサイコロ状に切った筍を鰹出汁3:めんつゆ1(4倍希釈)の出汁で煮て、鰹節をあえます。めんつゆがなければ、鰹出汁6:濃口醤油1:みりん1を合わせてもできます。

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鶏と筍の煮〆

簡単な煮〆の作り方。干し椎茸を水で戻し、6等分くらいに切ります。にんじん、たけのこは乱切りに、鶏もも肉は一口大のぶつ切りにします。鶏肉を皮面から焼き、皮面がこんがり焼けたら、にんじん、椎茸、たけのこも入れ、干し椎茸の戻し汁+水 8:濃口醤油1:みりん1:砂糖少々 を回しいれ、沸騰したらアクをとり落とし蓋をして、鶏とにんじんに火が通るまでコトコト弱火で煮込みます。

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気づけば、あっという間に4月ですね。新年度の始まりでもあるし、学校や職場など新生活が始まる方もいるでしょう。この間涙涙の別れの季節と思ったら、出会いの季節。依然として呑気に出歩きワイワイ交流するのは自粛しないとねぇという状況が続いていますが、リアルにお会いできなくても、やっぱり人との出逢いや交流は大事にしていきたいなぁと改めて思います。




おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。