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【365日の魚介レシピ】カツオは炙りたてに限る。

初鰹から戻り鰹まで、一年の半分くらいずーっと楽しめるカツオ。うちの店でもファンが多いので、時期を見て、良さそうな時はいつも仕入れています。特に、夏の終わりからから秋は戻り鰹と言って、脂の乗ったカツオが出回ります!

スーパーでも、魚屋さんでも、カツオを買っておうちで食べる時は、是非、皮付きのサクで買うことをおすすめします!経験上、カツオのたたきを美味しくいただくには、

・生の新鮮なカツオを使う。
・できれば豪快に直火で炙って、あぶりたてをいただく。

この2点がコツだと思います。

実は私はカツオが苦手でした。なんか血生臭くて。でも、仕事で作るようになってから、カツオを美味しく活かすコツを知り、苦手を克服しました!!もちろん、店のバイトの子たちや常連さんにも大好評です。

でも、プロだからでしょうと思われるかもしれませんが、大丈夫、コツを知ればおうちでも十分美味しく食べられます。

それでは、カツオたたきの作り方、解説していきますね!

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カツオのたたきの作り方

①まず、スーパーやお魚屋さんでカツオの皮付きのサクを買ってきます。できれば、生のもの。なかったら、解凍でも。

※色が赤く鮮明なもの(茶色く変色していないもの)、ドリップが出ていないものを選びましょう。

② 表面の血などの水分を拭き取り、塩を振ります。(皮面強めに。)

魚焼き網に皮面を乗せて、位置を変えながら、皮に焦げ目がつき、パリッとするまで直火で炙る。続けて、血合の部分、身の部分も軽く炙る。

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③ ここで冷やさないで、まな板の上に皮面を手前にして置く。(昔の和食の定番だと、すぐ氷水に落として冷やすことが鉄則でしたが、土佐流では冷やさないと修行先の親方に学びました。皮目の香ばしさを生かすためです。)

右端から、1〜1.5センチ幅くらいに真っ直ぐ包丁を根元から刃先まで引き、切り離す。そのまま右側に包丁の先でスライドさせて並べる。

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④香味野菜と共に器に盛り、ポン酢を回しかけ、生姜やスライスニンニクを添えて出来上がり!!

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自家製ポン酢

美味しい醤油 1カップ

美味しい酢 1カップ

煮切ったみりん 50cc

柚子果汁(かぼすやすだち、柚香など)50cc

鰹節 20g 昆布 10センチ

合わせるだけ!冷蔵庫で保存。

直火で炙る代わりにフライパンで焼いても良いですが、その時は皮目からあまり動かさずにパリッと焼いたら、他の面に返していくやり方で!もし、買ってきた冷凍のカツオ叩きでも、食べる直前に焼くだけで香ばしさが加わり、美味しさが増します。

生が苦手な方は、カツオの竜田揚げやガーリック醤油で焼いたステーキもおすすめですよ!

なぜ、カツオの"たたき"というのか?

塩や調味料が貴重だった頃、炙って切ったカツオに塩や調味料をかけてたたき、味を馴染ませたことに由来するそうです。高知の郷土料理では、塩でいただく【カツオの塩たたき】も名物です。


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今まで何本のカツオを扱ってきたことでしょう。上の写真のような可愛い顔のカツオが来ると、うーん、胸が痛い。イタリア料理店から和食に転職してから18年くらい。最初はもちろんなかなか触らせてもらえませんでした。土佐料理の割烹出身の料理長だったので、土佐の郷土料理カツオのたたきを名物にしている店でした。人手が少なく、私も学びたい盛りで料理長に猛アピールし、そのうちカツオの炙りをさせてもらえらようになりました。

それからは修業先の色んな店でも扱ってきました。

私が料理長を任されるようになってからはカツオをお刺身盛り合わせのレギュラーとしていつもご用意しています。

カツオは高タンパクで栄養価も高く、カツオのたたきを毎週食べている常連さんは血液検査の数値が良くなったそうですよ!!

おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。