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K-125 アマゾン胸像(ローマ胸像)

石膏像サイズ: H.77×W.51×D.32cm(原作サイズ)
制作年代  : 古代ローマ時代1~2世紀頃?
収蔵美術館 : ルーブル美術館収蔵 ヴェルサイユ宮殿外壁(Cour royal)

日本では「アマゾン」と呼ばれていますが、この彫像は都市としてのローマを擬人化した彫像で、本来は「ローマ」と題されるべきものです。ルーブル美術館に、石膏像の原形となった大理石彫像が収蔵されているほか、ヴェルサイユ宮殿の外壁にほぼ同一の彫像が設置されています。1722年に作成されたヴェルサイユ宮殿の彫刻類に関する目録のデータによれば、「“ローマの胸像” 頭部の首の付け根のところまでが古代遺物の女性胸像、鼻は再接合されている。首は右側に傾き、体は布で覆われていて、その一部は左肩に載っている。台座部分は白い大理石」とされています。頭部のみが古代ローマの遺物で、胴体部分は発掘後に付加されたものと推定されます。古代遺物の頭部が武装した形だったことから、発掘当時の修復家がアマゾンタイプの胴体部分を補足したようです。同タイプの頭部は他にも発掘されており、兜の形態、兜上の“雌狼とロムルスとレムス(古代ローマ建国伝説)”の装飾物、頭髪の流れなどが共通しています。

ヴェルサイユ宮殿 Court royal外壁のアマゾン像(Château de Versailles, cour royale. Buste de Rome. Numéro d'inventaire : Vdse 166)  石膏像に比べると若干胸の部分の面積が大きくなっています(両腕部分、バスト下部分などが石膏像よりも要素が多い)。石膏像として製品化される際に、少しカットされているようです
(写真はWikimedia commonsより)



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