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【プチ高級ラーメン】

スーパーでひと通りの買い物が終ったので、ラーメン売り場の通路を通ってレジの方へ向かっていたところ、チョッと変わったラーメンに目が留まったのだった。

それは5個が一袋に入った物と違って、1個を単体で売っているコーナーの棚に並べられている〈全国のご当地ラーメン〉の中の1つだった。

〈全国のご当地ラーメン〉は大手メーカーの製品ではなくて、其々の地方メーカーが製造しているラーメンが殆んどだ。だから普段はあまり見掛けることがない物ばかりである。

その中で特に美味そうに見えたのが〈尾道ラーメン〉だった。値段を見ると¥198―という、インスタントラーメン一袋の値段にしては、まぁいい値段のラーメンではあった。

僕は一袋を手に取って籠の中に入れた。

・・・・・・・

そして、レジでの精算が終ると、レシートのチェックをしていた家内が言うのだ。

「父さん❗️1つが¥198―もするラーメンいつ買ったん❓️」

「まぁ、試しにな」

「美味しいの❓️知らないメーカーだけど」

「こういうのに限って超美味いのがあるんじゃ❗️」

「ふ~ん」

・・・・・・・

さて、その日の晩御飯の後である。そのラーメンのことが気になったので、僕と家内と息子と3人でシェアして食べてみることにしたのである。

果たしてその味は・・・

期待を裏切って全然美味くなかったのだ。尾道ラーメンの特徴である〈背脂〉は入っていないわ、スープも〈煮干し魚介類感〉がないわで、これじゃ5個入りで¥200―くらいのヤツの方が余程マシではないか❗️

ゴミ箱に捨てたその〈尾道ラーメン〉の空袋を取り出して来て、もう1度よく調べてみたら、製造元は関東地方にある某メーカーであった。

関東の〈尾道ラーメン〉だったのだ。


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