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【2号線ドライブ②】

僕は勝負することにした。

高速道路を使わずに、下道を走って広島から大阪まで行くことにしたのだ。片道300kmはある。

カーナビをセットすると真っ先に高速道路を走るルートが案内されるのだが、別ルートの〈一般道〉を選択して「案内する」をタップした。主に国道2号線を走るルートである。

いつもは〈山陽自動車道〉~〈中国自動車道〉~〈阪神高速〉~〈環状線〉の高速道路を走るのだが、それでも5時間は掛かっている。

それを一般道だけで行こうというのだから大変である。一体何時間掛かるのだろうか・・

下道で最も注意しなければならないのが〈トイレ〉である。高速道路には程々の間隔で〈PA〉や〈SA〉が設けられているので安心だが、一般道ではそうはいかない。

一般道での〈トイレ〉は〈コンビニ〉に頼ることが多くなる訳だが、丁度いい頃合いに〈コンビニ〉があるとは限らない。

催してきたら〈カーナビ〉に表示される〈コンビニ〉や〈道の駅〉を見落とさないようにしなければならないし、道沿いの〈案内標識〉も見なければならない。最悪なのは繁華街で〈トイレ〉を探す時で、駐車が出来る〈トイレ可能な場所〉なんて早々には見付からないのである。

だから、下痢症の僕は万全を期して、朝から飲み食いを禁止して出発することにしたのである。

朝の7時30分にスタートして国道2号線をひた走りに走った。高速道路では決して見られない〈神戸の須磨海岸〉を愛でたり〈あべのハルカス〉の真下を通ったりして目的地に着いた時には、もうかれこれ午後5時30分を回っていた。結局、10時間も掛かってやっと到着したのだ。

飲み食いを禁止したお陰でお腹の調子が良かったからいいようなものの、帰りはどうしようかと迷っているところなのだ。

高速料金が浮くからと、調子に乗ってまた下道を通って〈下痢地獄〉を見るのがオチなのだから、止めておいたほうが良さそうだなぁ・・・

只ひとつ判ったことは、横断歩道・歩行者・対向車などに神経を使わなければならい〈下道ドライブ〉なのだが、単調な高速道路での運転に比べて神経を使う分、全然眠くならないということであった。オマケに、街中の様子や風景に変化があって、運転が楽しくて飽きないのだった。楽しいから疲れない。

〈下道ドライブ〉も、まんざら捨てたもんではないのである。

・・・・・・・

実はこのエッセイ・・自宅に帰ってから書いているのだが、大阪からの帰り道も〈下道ドライブ〉をして帰って来たのだ。

例によって飲食抜きで走ったのだが、余りにもお腹の調子がいいので、倉敷の2号線沿いにある〈ベトコンラーメン〉の店に立ち寄って、人生初の「ベトコンラーメン」を食べたのである。

ところがそのラーメン・・これでもか❗️というくらいに〈ニンニク〉がブチこんであったのだ。

幸い、食後も下痢を催すことなく快調なドライブが続いたのだが、無茶苦茶ニンニク臭くなって自宅に帰って来たというオチが付いたのである。


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